2024年10月の古本浪漫堂その4 読むが如く
読書の話。
最後でひっくり返る系のミステリが大好きで「最後の1行で!」とか「必ず読み返す!」とか「島田荘司絶賛!」とかアオリ見るとつい買っちゃう、のだが。
その手のもので本当に納得するものって10年に1冊くらいしか出てこない。
そこそこ面白いのはあるけどどんでんに力を入れ過ぎて他が不自然になってしまうものが多い。自然に読めてびっくりしたのって、古くは『クラインの壷』その次が『葉桜』あ、最近良かったので翡翠ちゃんの『メディウム』があった。(その手の本で読んでてひっかかりがあるのは読者への目くばせであるのはわかってますがね)
んで、今読んでるのもわりと話題になっているソレ系なのだけどとにかくイヤミスというか主人公がひどい目にあう話がずっと続いてくやつで読んでいてキツイ。
おそらく後半までこれが続いて最後になんらかのミステリ的逆転があるのだと思うのだけどほんとにこんなに読みたくないもの読ませておいてこれよっぽどびっくりさせないと怒るよ俺は、ってなってる。いや、まあ面白いっちゃあ面白いんだが。
そこへいくと桐野夏生はすごい。すごく嫌な話をストレスなしに読ませる。いや桐野夏生嫌いなのだけど、つい間違って読みだすとだいたいラストまで止まらない。キャラクターに1ミリも共感できなくて嫌いなんだけど。
どんでんミステリ大好物なはずなんだけどそろそろここいらでこの手の新作、新人追うのはもういいのかなとも思う。酒飲みと同様に今後の読書の方針も考え直す時が来たのかもしれない。人生も永遠も半ばを過ぎて。
いやまあしかし、今読んでるこれがラストにとんでもない満足感を与えてくれるかもしれないけど。読書感を変えちゃうくらいに。
そんなこんなだよ。
酒も本も面白い。
人生は上々だ。
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