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安心な僕らは回避しようぜ (なぜ働いていても本が読めたのか)

きのうの金曜日、いつものように早く目覚めたのに、何と土曜日と信じ込んでいた ! 
ショック。こんなことは今までなかった。

 家を出る時間になっても下りてこないことを心配した妻に「今日ふつうに会社だよね ? 」と言われてもしばらくは気がつかなかった。

ヤベ ! そのままクルマに飛び乗った。

朝活仲間の先輩に打ち明けると、「曜日を忘れること、私だってありますよ。でも大体はお休みだよね ? よかった~ のパターンかな」

わたしもそれならあるんですよ。今朝みたいな逆はなかった。お昼頃までカラダが土曜日のお休みモードだった。

いよいよ脳がやられてきたか。
いや、これは希望だ (そう思うことにする ! ) 
希望の話がしたい。



火曜日、いつものように『生島ヒロシのおはよう一直線』を聴きながら家を出ると、本日のゲスト、寺島実郎さんが話していた。

「石破さん」が自民党内のギリギリの選択  ( サバイバルのための ) だった。

立憲民主にしても政権交代の迫力は無く、代表選を闘った人たちの意見を ( 決して嫌味ではなく真剣に ) 見ても、そこには経済・産業政策がまったく無い。 

( 分配は産業の安定あってこそなのに、そこをどうしていくのかと問うなかで ) 
1994年、つまりちょうど今から30年前、日本のGDPの世界に占める割合は18%だった。

ところが去年は4%、さらに今年は3%に落ちるということをIMFが予測しているという。

来年はインドに抜かれる、GDPなんてマクロ統計に過ぎないと思ってる人がいるかもしれないが…

「GDPってのは我々が汗をかき知恵をだして産業、新しいビジネスにチャレンジしてね、生み出していく付加価値の総和なんですね、それ自体が世界の中で急速に埋没している」

「この問題に対して与野党を超えていったいどういう構想力を持って未来を開くのかっていうのがね、問われているわけですよ。それなのに何か政治と金の問題に方向感が出たら日本は浮上できると考えていたら大間違い」

(2024年10月8日『生島ヒロシのおはよう一直線』寺島実郎さんの発言より)

 唐突かもだけど、
「IT革命」って何だったんだろう。

小沢健二『LIFE』発売から30年が経ち、還暦が見えてきたこともあって、結婚した 93年くらいから今に至るまでの道のりを、改めて考えることが多くなっている。

音楽が大好きなのに、ある時期から休日にレコードをかけてゆったりと過ごす気持ちになれなくなった。元々はそうでもなくて、30年前から徐々にそうなった。それまでは毎週のように WAVE やレコファンで大量に買ってきた様々なCDを、片っ端から聴いていた。

30年前は、本も読めていた。
もとい、本を読むしかなかった。

『塩狩峠』三浦綾子
『贈る言葉』柴田翔
『いずこへ ( 短編 ) 』坂口安吾
『新しい人よ目覚めよ』大江健三郎
『羊をめぐる冒険』村上春樹

二十歳前後の読書で、印象的だった作品を、思いつくままに挙げてみた (小説が読めてる)

『気の相性学』三枝誠
『迷ったら原則に戻れ』日野晃
『自分取扱説明書』頼藤和寛
『弱腰矯正読本』須原一秀
『男になるのだ』橋本治

30前後の読書も。自己改造の読書になっていった (主にイジられ対策として)


わたしは実家の近くにできた事業所に、現場作業のアルバイトで入り、その後正社員にしてもらったので、当時は一日の作業を定時で終えて、まだ明るいうちに家に帰れた。

物と格闘して、一日を終えることができれば、安心な僕らは旅に出られた (本が読めた)

オフィスに💻️がない時代があった。
(全てはWindows95 から始まった)


ところで「IT革命」って何だったんだろう

もう先々週になるが、土曜日に「コンフリクト・マネジメント」( 職場での人間関係の対立を乗り越える ) というテーマで、コーチングの研修に参加した。

Zoom に投影されたマトリックスには、
「競争」 「協力」「回避」「順応」とあり「競争・協力」は自己主張の度合いが高く (縦軸)、「協力・順応」は協調性の度合いが高い (横軸)。となれば正解としては、どちらも高い「協力 ( コラボレーション ) 」が望ましいと直感できるし、結果、36%でトップ、意識高い系であるコーチの皆さんはやはりそれを選ぶわけです。

しかしネガティブ OK ! コーチであるわたしは普通に「回避」を選び、結果、10%の中に含まれる結果になりました (思ったよりはいる! )

そして今回のファシリテーター、ハーバード大学でトレーニングを受けたメディエーター (対立の調停者) であるジミー・スラン氏によれば、これはある意味引っかけかも ? と前置きして、その時の状況や優先順位 (が下の方) によっては「回避」だって有りで、その為のマトリクスであることに気づかされるわけです (当然『回避』を選んだわたしが肯定されてちゃいけないわけです😓 )

カンボジア難民の息子として生まれ、家族は飢餓やジェノサイドに直面し、「水の中にはワニ、陸地にはトラ」がいるカンボジアのジャングルを (リスクを取って) 生き抜いてきたジミー・スラン氏であるからこそ、非常に説得力のある講演・講習になりました。

その日はなぜか「回避」が流行った。

夜、ツイッターを見ていたら、精神科医の岡田尊司さんがご自身の著書で、作家の星新一さんのことを「回避性パーソナリティ障害」であると診断したらしく、星新一さんのご家族がそれは誤診であり、不適切な行為であり、名誉毀損であると抗議しているとのことだった。

それは普通にマズいよ~なわけだが、そのこととは別に、星新一さんのご家族が公式ホームページに「経緯」として作成された文章中の、本来の診断基準としてリンクを貼られていた
『アメリカ精神医学会の定める診断基準』(7項目中、4項目が当てはまると診断される) を読んでみると…ハッキリ言って全部当てはまる。

回避性パーソナリティ障害は、わたしだ。

今の今だって。
でももう、初老のオッサンだし。

情報ばかりが増え、仕事も高度に、人間関係も複雑になり、できれば回避したいのに回避できなくていつも心配で、自己啓発本くらいしか本が読めなくなったこと。

この30年の『IT革命』って、そのことに大きく関わりがあると思った。

凸凹の付いたチープな樹脂とかを、取っ替えひっかえするのはいつまで続くのだろうか。

https://note.com/ishida2kimi/n/n9bbd47f425cb

何かもう素晴らしいとしか言いようのない、
ここ『note』で見つけたお気に入りの文章をふたつ貼ります。

絶望の果てに希望を見つけた。
本が読めるようになった。
本に、帰って来れた。

希望の話がしたい。

読んでくれて、
ありがとうございました。また。

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