【研究】リアプノフ指数を使って様々な脳波のカオス度を調べてみる.
こんちは,前回「脳波の時系列波形からリアプノフ指数を使って簡単にカオスを測る方法」として実際に脳波データを使ってカオスを算出しました.今回は,いろんな状態の脳波にリアプノフ指数を適用して脳波のカオス状態を比較していこうと思います.
安静時脳波(リラックス)と集中時脳波(ストレス)を比べる
実は前回使った脳波は,ぼーっと風景画を観察しているリラックス時の脳波でした.アルファ波です.今回は100マス計算を解いて精神的な負荷をかけた脳波データ(アルファ波)も同時に解析して比べていこうと思います.
リラックス時とストレス時は,ともに後頭部の視覚野という箇所から脳波を取りました.実験データはこちらです.
0から100秒まで → リラックス(緑)
140秒から240秒まで → ストレス(赤)
の実験データを取得しました.ストレス時の方がリラックス時に比べて若干振動振幅が高くなっていることがわかります.
では,リアプノフ指数の比較を行います.100秒分のデータがありますが,1秒ごとにリアプノフ指数を算出して行きます.計算プログラムは前回の記事を見てください.
こちらが,リラックス脳波(緑)とストレス脳波(赤)のリアプノフ指数の結果になります.
今回はアルファ波だけですけど,ストレス脳波の方がリアプノフ指数が高いということがわかりました.
おいらの予想は,
集中している方が脳波の外形は単調になるのではないかなと,つまりカオス性が低下してリアプノフ指数が下がるのではないかと予想していましたが,
それとは裏腹に,ストレス脳波の方がリアプノフ指数が増加するといった結果になりました.
今回解析した範囲がアルファ波であったことから,今後はより広い脳波の振動帯域(つまりベータ波やシータ波)を考慮してもう一度解析して見たいところです.
記事書いてますけど,いい感じの結果と考察ができたら論文にしてまとめます笑