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僕は、妻との写真を撮るための旅行をする

写真を撮るために旅行をする、旅行をして写真を撮るのではなく。

初めてカメラで一緒に撮ったセルフ写真、以来このポーズは僕たちの十八番だ。
(@大阪府吹田市 万博記念公園花の丘)


数年前にカメラロールを見返したある日、僕は愕然とした。

妻との写真全然ないやん


旅行をするとき、僕たちは毎回テーマを決めている。例えば、「美味しい海鮮丼を食べるために金沢に行く」とか「美しい自然を見るために北海道に行く」とか。

これらは食事や観光がテーマなので写真がメインにはならない。そしてテーマである海鮮丼や自然の写真は撮っても、他の写真は撮っていなかったりする。

さらに当時の僕は自分の顔をアップで写すことへの抵抗もあり、なかなか「一緒に写真を撮ろう」と声をかけられなかった。

そしてカメラロールを見返したとき「もっと2人の写真を撮っておけばよかった」と後悔したのだ。

ちなみに、ここの最中すごく美味しくておすすめ。
(@北海道札幌市 坂ノ上の最中)

ならばいっそのこと「写真を撮る」ことをテーマにすればいいのでは?


旅行といえば、美味しいものを食べて、綺麗な景色を見て、おしゃれなホテルに泊まるものだと思い込んでいた。

固定観念に囚われていた。


そこで僕は妻に、撮影がテーマの旅行を提案してみた。

すると妻はふたつ返事で乗ってくれた。

「いいね、やろう」


妻は僕のやりたいことや考えたことをいつも尊重してくれる。素敵な妻と出会えて僕は幸せ者だ。

こうして撮影旅行の開催が決まった。

言い出しっぺの僕が撮影旅行の舵を取ることになり、やることを書き出していく。といっても普段の旅行とあまり変わらないのだが、新規プロジェクトを始めるようにワクワクしていたのを覚えている。

① 成果物(撮影イメージ)のすり合わせ
季節・景色などを大まかに一致させる。例えば「河津桜の咲く季節で、夕日が差し込んでいるような写真」

② ①のイメージに合うような参考写真の収集
SNSやGoogleで検索し出来るだけ多く保存する。ポージングや構図も参考になる。

③ ②を確認し撮影場所(旅行先)を選定
思い描く撮影ができる場所を探す。

④ 撮影スケジュール(旅程表)を作成
撮影は想像以上に時間がかかるので、かなり余裕を持ったスケジュールにする。

⑤ 宿泊先・移動手段の確保
撮影がメインなのでこだわらないことが多い。コスパ重視。

⑥ 撮影許可の対応
ドローンを使う場合など、申請が必要な場合もある。

⑦ 撮影スケジュールの確認、飲食店・駐車場などのリサーチ
撮影をメインにしたいので、事前にできることは済ませておく。

僕たちは形式立てて物事を整理することが好きなので、最後までこのプロジェクトを楽しみながら実行することができた。

この場所で日の出と撮るために早朝5時から待機したのに、晴れなかったのも良い思い出。
(@静岡県静岡市 三保の松原)

そして撮影旅行をやってみた。総論、とても良かった。


良かった点

・妻との写真をたくさん残せた。
・自分が写真に写ることへの抵抗がなくなった。
・自然と写真に意識が向くようになり、撮影旅行以外でも2人の写真を撮るようになった。

良くなかった点

・場所によってはかなり早く起きることになり、睡眠を充分に確保できず、移動中はほぼ寝ていた。
・天気の影響を大きく受けた。

撮影旅行の当初の目的であった、「妻との写真を撮る」ことは達成できた。また写真は一生もので、後に結婚式で使ったりインテリアとして部屋に飾ったりと、さまざまな場面で活躍している。

良くなかった点も、自分たちの体力を過信せず雨バージョンの計画も立てる、といった感じで対策はできそうだ。

今まで撮ったセルフ写真を結婚式で展示。捨てるのがもったいなく、結婚式後も家に飾っている。

そしてもう1つ、最も良かった点があった。


撮影旅行というこのプロジェクトを達成するために、事前準備を他の旅行よりも入念に行った。当日も、アイデアを出し合ったり何度も撮り直したり、お互いに妥協を許さず成果物である写真のクオリティを高めるための努力を続けた。

ただ楽しむだけではなく、真剣だった。

そして写真という「作品」を一緒に作りあげるこの旅行を通して、僕たちの絆がより深まった。素晴らしい作品を作れたときの達成感がたまらなかった。

セルフウェディング撮影でのお気に入りの1枚、専用アプリでカメラを遠隔操作している。
(@香川県三豊市 父母ヶ浜)

これからも僕は、妻との写真を撮るための旅行をする

次はどんな作品を作ろうか

ドローンがあると写真の幅が広がる。直感的な操作で難しくないのでチャレンジしてみてほしい。
(@高知県幡多郡大月町 柏島)

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