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まとめ②『アーカイブとは何か~石板からデジタル文書まで、イタリアの文書管理』(著)マリア・バルバラ・ベルディーニ (訳)湯上良 法政大学出版局 2012年

ごきげんよう。

『アーカイブとは何か~石板からデジタル文書まで、イタリアの文書管理』(著)マリア・バルバラ・ベルディーニ (訳)湯上良 法政大学出版局 2012年。

本日はその情報のまとめとメモの第2弾である。

アーカイブズの特徴
イタリア憲法第9条
「共和国は文化の発展と科学技術研究を促進し、国家的な史的・芸術的景観遺産を保護する」
→「文化財」はある特定の領域や住民についての理解のために有益な史資料としての機能を果たしている。

法的重要性→歴史的重要性

保存すべき文書→組織化→文書館(組織化した場所)

・特定の作成団体または時代とともに現れる、似たような特色を持った団体の活動の結果であること。
・団体の活動の中での作成と同じ整理方法によって定められた順序を持つ、すなわち同じ作成団体の文書においては「アーカイブ結合」という言葉で呼ばれるアーカイブ原則の関係において決められていること。

もしこの2つの条件が存在しないならば、様々な利用のために集められた文書の存在を前にしているだけで、それらはアーカイブ文書ではない。

アーカイブの法的要件
文書は市場価値がない→「売買できない」

文書館は「公共国有財産」である。

地方公共団体のアーカイブズは「公的国有財産制度」に従属している

アーカイブズと各公的文書の国外からの持ち出しを禁止している。

書類のライフサイクル
アーカイブは
① 作成者、
② 作成者自身によって行われた実務、
③ 形成されていくにしたがって生まれる文書
         ↓
これら3つのつながりを伴う文書の「有機的複合体」

チェザーレ・パオリ『公文書学』(1942年)
文書とは「信用に配慮し証言力を与えうるための一定の様式にのっとって作成された法的性質を持つ事実に関する筆記証言である」と定義している。

文書様式に従うと、文書館に保存された文書は次のように分類される。
・オリジナル。形式や内容の独自性において実用上申し分なく、文書が完全唯一である場合。
・下書き。送信者のアーカイブに残っていて、オリジナルかつ送信した文書の原本と解釈されうるもの。
・複写。手書き、あるいは複製のために用いられるあらゆる種類の機具(コピー機、プリンター他)に行われたオリジナル文書の複製と解釈されうるもの。

文書は時間が経過すると、
実務的目的や権利の証明に資する文書→消滅する
過去を知るための有益な史資料としての文書→永続する

文書の利用者の変化
文書作成団体の担当者→学者・研究者

文書の選別
文書は永久保存とその残りの除去へ向けた仕分けを行う必要がある。
歴史的記憶を維持する目的において作成されたすべての文書群の保存は可能でもなく、望ましいことでもなく、実際に利用価値のあるものについてのみ行うという原則に基づいている。

アーキビストはアーカイブの一生における様々な段階である現用・非現用・史的とこれらの段階における固有の保存方法・技術について検討していく。

本日も最後までお付き合い頂き、誠にありがとう。

ごきげんよう。

さようなら。

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