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[すこし詩的なものとして]0173 窓の外には砂ぼこり

ちょっと上着が必要な季節になった
雲間に切れ目ができている
間から漏れる光が地上に向かって差し込んだ
空気の層に乱反射する声
サッカー部か野球部の
汗にまみれた声だった
少し入り組む風の音と
うわさ話の声の雨
ロッカーに貼られたセロテープは
黄ばんでもなお貼りついている

それは青春の歌
ずっと昔の若者の
仮想の夢とやるせない
小さな怒りの声の束

透かして見せた
あの頃は
頬をのせ滑り逆巻くザラつきに
テスト用紙の使い方知る
風が吹いたら背を向ける
小さな一歩を踏ませるために

結局は
砂ぼこりの校庭でひとり
みんなの背を眺め
踵を返して帰るだろう


時折、急に思い出すのは初めての孤独を感じたあの瞬間だ。
学生時代の孤独感は、今も曳かれたままにそっとしまってある。

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