読書メモ20年22
概要
(題):都市5.0 アーバン・デジタルトランスフォーメーションが日本を再興する
(著):東京都市大学 総合研究所 未来都市研究機構
(著):葉村 真樹
おすすめ度
★★★★☆
サマリ
都市のDXを、歴史のメディア進化に沿って説明。都市は人間拡張の最終形態と定義し、ユーザー中心設計で作り直す必要があると説く。後半は、各専門家が具体的な事例を説明
withコロナの社会の話で、都市化と開疎化の話(*)がバズっていたので、その内容とこの本を読みながら新しい都市の形を考えさせられる
*開疎化がもたらす未来
抜粋
都市の進化には常にメディアの進化があった。人と人の情報交換を加速させ、都市における情報流通が新たな付加価値を生み出すため
都市1.0=神の都市
自ら食べものを作らなくてもよいようになる分業が始まる、つまり交易
交易のための記録手段として、『文字』が発達する
文字という人間の脳を拡張するメディアを手に入れることで発展した
その交易の中で、債権と債務の信用取引が生まれ、その延長に『貨幣』の概念が生まれる
都市2.0=王の都市
文字によって神に関わる人々の権威が高まり、王の権威が圧倒的なものに変化
また、貨幣によって、お金を持っている人は偉いという概念が生まれ、市民階級の誕生する
文字から『本』が発明され、市民階層が更に力を付ける
都市3.0=商人の都市
『活版印刷』の登場は、知の民主化を生み出し、圧倒的な経済発展を起こした
都市4.0=法人の都市
エネルギーとモビリティの進化が産業革命を起こす。資本主義経済を象徴する株式会社という形態の発展、投下した資本に対して、どれだけリターンが返ってくるか、生産性と効率性を高めることを目的とした法人が力を持つ
『テレビ』は大量生産・消費・廃棄という20世紀を象徴する経済社会そのものを作り出した。企業=法人が、テレビ広告で消費の意義を説き、促すコミュニケーションを行う
都市5.0=個人の都市
web1.0はフィジカルからサイバーへの移行をもたらし、web2.0であるスマートフォンとソーシャルメディアによって、シェアリングエコノミーと評価経済を発生させ、データ駆動型分権社会をもたらし、web3.0であるIoT・ブロックチェーン・AI・5G等の人間の行動データをお金に変えるテクノロジーが、人間中心の都市を作り出す
事例
ビックデータによる都市の脈動の把握
IoTとAIによるインフラマネジメント
IoTとAIによる人間中心の都市像
都市を人間中心で作り直すMaasからCaasへ
コミュニティ創造による個人の都市の実現
グリーンインフラによる都市の持続的成長