読書メモ20年31
概要
(題):ビジネススクールで教えている会計思考77の常識
(著):西山 茂
おすすめ度
★★★☆☆
サマリ
デュポンの式を中心で、会計において重要になる視点を教えてくれる本
デュポンの式とは、ROE(当期純利益/株主資本)= 売上高利益率×資産回転率×財務レバレッジ
と分解して企業の特徴を見ること
抜粋
■ 77つの内、為になった常識を一覧化
常識4:財務レバレッジを使ったROE上昇の死角・・・売上高当期純利益と資産回転率を上げてROEを上げるほうがよい、ソフトバンクグループはかなり財務レバレッジ使っている
常識15:資本コストの意味と「株主の期待」の関係・・・無借金経営は、金利による節税効果によってコストが安くなる借り入れた資金を使っていないという見方で勿体無いとなる場合が存在する
常識16:資本コストとしてよく使われるWACCの意味と活用法・・・WACCの水準は誰でも設けられる金利、企業のリスク、コストが低い借りた資金をどの程度活用しているか
常識45:既に使ってしまったサンクコストにとらわれない・・・勿体無いという意識はなくし、フラットに未来どの程度のキャッシュフローを生み出すのかで考える
常識57:IRR法は「投資効率の良さ」で評価する・・・IRR法は年平均何%儲かるかで評価し、WACCを上回る場合実行する
常識61:運転資本がマイナスになる事業のメリットと死角・・・売上高が増加中は利益、キャッシュフローともに非常に高くなるが売上が減少すると、キャッシュフローが急激に悪化する可能性がある。例えば、旅行代理店では旅行の前金をもらうためCCCがマイナスとなるが、コロナの影響もあり急激に売上が下がると手元に入る現金が少なくなるが、支払い額は売上高が高かったときにものになるためキャッシュ不足が生じる
■ 各章毎に特徴的な企業を選定し説明
第1章 「ROE」 → カルビー
第2章 「レバレッジ」 → ソフトバンクグループ
第3章 「リスク」 → 任天堂
第4章 「成長」→ ヤオコー
第5章 「良いものをより安く」→ ニトリホールディングス
第6章 「コスト」→ 信越化学工業
第7章 「もったいない」→ ファーストリテイリング
第8章 「キャッシュフロー」→ 日立製作所
第9章 「M&Aとシナジー」→ セブン&アイ・ホールディングス
第10章 「お客様は神様です」→ トヨタ自動車