読書メモ20年21
概要
(題):遅いインターネット
(著):宇野 常寛
おすすめ度
★★★☆☆
サマリ
タイトルにあるように、遅いインターネットという新しい価値を届けるメディアを作っている。なぜその必要性があったのかを語ってくれている
遅いインターネットとは、予め期待している結論を述べてくれる情報をサプリメントのように消費するインターネットではなく、「考えさせる」を目的とするメディアであり、速すぎる情報の消費速度に抗って、少し立ち止まり、ゆっくり咀嚼して消化できるインターネットの使い方を提案する、それが今の時代にとって重要だと説く
抜粋
グローバル資本主義のプレイヤーであるあたらしい「境界のない世界」の「Anywhere」な住人たちと、ローカルな国民国家の市民として生きる旧い「境界のある」「Somewhere」な世界の住人に二分されているように見えるが、既に境界は半ば取り払われており、だからこそ壁を求める人々が増殖している。
「Somewhere」な人々は、雇用主から報酬以外に資金調達の手段を知らず、その意味で資本主義を生きてすらいない
民主主義のグローバル資本主義に対する対抗としてトランプは当選し、ブレグジットは成立した。
その方法として、民主主義を半分諦めることで守り、そのことで民主主義から自由と平等を守る他ない
①民主主義と立憲主義のパワーバランスを是正する
②情報技術を用いてあたらしい政治参加の回路を構築する
③メディアによる介入で人間と情報との関係を変えていく
他人の物語と映像の20世紀から、自分の物語とネットワークの21世紀へ
かつてインターネットは、「ここではない、どこか」を仮築することだった、本名ではなくハンドルを用い、もうひとつの秩序をつくろうしていた
現在は情報技術を「ここ」を、この世界を豊かにするために、多様化するために用いている。つまり、仮想現実から拡張現実へ移行している
文化のカテゴリーは四つに分類できる
非日常×他人の物語(映画)⇒日常×他人の物語(テレビ)⇒非日常×自分の物語(祝祭)⇒日常×自分の物語(生活)
日常×自分の物語(生活)ここを起点に、考え直す必要がある
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