![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/97052911/rectangle_large_type_2_e08ef97d3f89f6291d5c9ac4f037fe95.jpeg?width=1200)
ついつい見てしまったテレビ番組
海外に来てから、当然ですが日本のテレビ番組を見ることはなくなりました。
ここ5年ほどで特に顕著になりましたが、日本のテレビ番組が非常につまらない。
バラエティはお笑い芸人が内輪ネタばかり、報道は偏っていたりSNSから見つけてきたようなものばかり、というか報道番組がバラエティ化している現状もあります。
コロナ禍で旅行関連の番組もなくなり、ついには僕にとってテレビはただの映像装置になってしまいました。
そんなタイミングで海外に来たため、テレビが無い生活は全然当たり前、というかそこに不便すらも感じていませんでした。
映画はNetflixかAmazonプライムに登録すればいいし、旅行はYouTuber、お笑い芸人のネタは芸人自身がやっているYouTubeチャンネル、スポーツはAbemaTVを始めとした世界中にあるいろんな配信サービス。報道は、元々Webで見る習慣があったからテレビ(新聞も)はそもそも見ていませんでした。
そうやってテレビを補完するいくつものサービスが出てきたことで、テレビにこだわらなければならない理由がなくなりました。
昨年、唯一見たテレビ番組はM-1グランプリくらいです。お笑い好きとしては、この番組だけは避けられなかった。このためにTVerに初めて登録したくらいです。
前置きが長くなってしまいましたが、そのようにテレビを見ることがほぼなくなっていたのが、海外生活を送る僕の現状です。
***
先日、SNSでじわじわと流行していた一つのテレビ番組があることを発見しました。
タイトルは「このテープもってないですか?」。BSテレ東で昨年の12月27日から3日連続で放送された単発の番組です。
評判を見てみると、「怖かった」「狂気じみている」「展開が読めなさすぎた」などなど。
映画でいうと、脅かす系よりじわじわと怖がらせるような不気味なホラーが好きな僕はこれらの評判がとても気になりました。(たとえば、「シャイニング」とか)
TVerで見逃し配信もしていたので、3話分を一気に見てみることにしました。
一見すると「昭和バブル時代の深夜バラエティーを紹介する番組」の様子ですが、実際はすべてフィクション。細かい内容は割愛しますが、気味悪い後味が残る「大好き」な番組でした。
正直、テレビでこんな挑戦的な番組を作れることに感動したし、これはバズると素直に思えました。
見終わってから勢いそのままに、ネットやSNSで考察してあるものをたくさん読んでしまいました。
最近は、この余韻を埋めるように考察を読むのが楽しいものです。自分の意見や感想を持ちつつも、他の人の考察を読んでいき、新たな知見を感じたり、意外な感想に驚くこともあります。
いわば、その世界観にもっと入っていたい、といった感じでしょうか。
***
その中で、このような記事を読みました。
フィクションをドキュメンタリー風にする「モキュメンタリー」はこれまでにもあったけれど、この番組が違うのはとにかく「わかりづらい」こと。
わかりやすいエンタメが主流だからこそ、わかりにくさがカウンターとなりSNSを中心に口コミで話題になりやすい側面もあるだろう。
最後まで見てもどこかすっきりしないモヤモヤ感。これがネット上で人々が考察を繰り広げるきっかけとなり、多くの人々に拡散していく。
なるほど。
テレビ番組のみならず最近のあらゆるコンテンツは、とにかくわかりやすいが正義、といった様子があります。わかりやすく解説してくれるYouTuberが人気になり、わかりやすい簡単な言葉でまとめられた本が売れていく。
そういったわかりやすさ至上主義のような現代において、敢えてわかりづらいものを生み出すことで、かえって人々は興味を持ってくれるかもしれない。
こういった挑戦的思考が読み取れます。
僕も感じた、あの視聴後のモヤモヤ感はわかりづらいことがきっかけでした。それを追いかけるように考察を読みたくなり、それも相まって「どハマり」してしまいました。
僕が今この投稿をしていることもまた、狙ったものなのかもしれません。
***
テレビの凋落と言われて久しいけれど、まだまだこういった面白いコンテンツがあることに感心しました。しかも、今では海外からでも、オンタイムじゃなくても、番組をピンポイントで見ることができます。
面白いコンテンツは何度も繰り返して見ていきたいし、他の人にも紹介したいものです。
こういった取り組みがあることが嬉しいし、その中で生み出された面白い番組には価値があると感じます。
視聴後のモヤモヤ感が嘘のように、腑に落ちるスカッとした一連の出来事でした。興味ある方はぜひ見てみてください。
僕のことは以下の記事で紹介しています。
Twitterのアカウントはこちらです。
バナー写真の撮影場所はこちらです。
それでは、また明日お会いしましょう!