超訳孫子の兵法(最後に勝つ人の絶対ルール)PART9
常に(相手の優位に立つ)ことを考える
利して之を誘い、乱して之を取り、実して之に備え、
強くして之を避け、怒りて之を暁し、いやうして之を怒らせ、
いつして之を労し、親しみて之を離し、其の無備を攻め、
其の不意に出づ。
「相手が何を望んでいるのかが分かれば、相手をリードすることが出来る。
時には賛同し、時には痛いところをつき、時には不意をつくなどして、
意のままに相手をリードするべし。要するに人間通になることが重要なのだ。」
事をうまく運ぶには、自分のやることが誰にもジャマされることなく、皆を味方に巻き込んでいくことが求められる。
一言でいえば、相手よりも(優位に立つ)こと。
孫子は「人間関係は持ちつ持たれつ」なんて甘っちょろいことは言わない。
「自分が優位に立って、思うようにことが運べるような人間関係を作りなさい」としています。
グローバル時代世界のどこに行ってもこれまでであったことのないような相手とも「したたか」交渉し、時には協力関係を作り、こちらのために働いてもらわなければなりません。
理想的なことを言えば、正々堂々と正論で押し切り、圧倒的な優れた人格と教養で、相手を屈服させ、相手が弟子入りしてくるぐらいでなければいけません。
しかし若いときはそうはいかない。
孫子は心すべき要点を言っています。
メリットを提供する
痛いところを突く
得意、不得意を利用する。
メリットの提供
誰かが自分が欲しいと思っていたものを提供してくれたら、その人に対して恩義を感じます。
場合によっては、あなたの為ならどんな協力も惜しまないとまで言ってしまうかもしれません。
相手が何を望んでいるのか???
相手が「何とかA社と取引出来たら、うちの売り上げも伸びるんだけど、、、、」と望んでいたとします。
そのときに、あなたが雑談ついでに「実は私、A社の取り締まり役と食事をしまして親しくさせていただいているんですよ、」と言うとどうでしょう。
相手は目の色が変わり、「ぜひ、今度紹介してください」あなたにすがるでしょう
この時点でたちまち立場が逆転させることが可能なのです。
あらかじめ相手の欲求をリサーチすることが大事。
大変ですがこの労力を惜しんではいけません。
痛いところを突く。
事のジャーナリストの中には、「相手を怒らせて情報を取る」ことを得意としている人が少なからずいます。わざと痛いところをついて、相手が怒り出しつい言ってはいけないことを口走ってしまうように仕向けられているのです。
なにしろ、戦いや交渉は感情的になった方が負けです。
最後の最後に、ここ一番の時に、相手を屈服させたいようなときには、痛いところや弱みなどついて、相手を慌てさせるのが一番だと、孫子は言っています。
相手の弱み、隠し事などです。
得意、不得意を利用する。
自分の得意分野になると、誰もが饒舌になり、いくらでもしゃべってくれます。
ですから、色々話を聞きたいとき相手の得意分野から話題をふると気持ちよくなり、本題に入ることが、相手は落ち着かなくなります。
これを知っておくだけで、立場を逆転させたいときには効果的だと孫子は言っています。
しかし、孫子はこうも言っています。
手錬手菅には限界がある。自分の実力強化に努めることが、戦う者の本道である。
なので、誠心誠意であることが大事。
人格と実力が勝負を分けるのだと、孫子は言っています。