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「口コミ」のハードルになっているもの

『口コミが大事!』っていう話は、すでにいたるところで言われている話だとは思いますが。

SNSが普及した現代においては、ときにウソも混じっている広告よりも、消費者の『生の声』のほうが、大きな効果を持ちえます。

だから各企業やサービス、コンテンツなどは、消費者や視聴者の『口コミ』をどれだけSNS上に流通させれらるかということに対して、躍起になっています。

そしてぼくも、口コミを重視すること自体は、とても大事なことだなと感じます。

実際にぼくもイチ消費者として、友人や周囲の人の『良かったよ!』という評判ひとつで、その商品を購入したり、作品を観たりすることがあるので。


ただ、イチ消費者や視聴者として同時に思うのは、『感想をSNSに投稿するって、なかなかハードルが高いな...!』ということ。

そしてこの『ハードルの高さ』というのは、『心理的なハードル』というよりも、『技術的なハードル』のほうが高いんじゃないかというのが、最近考えていることです。

言い換えると、『これ良い商品だって言ったら恥ずかしいかな...』という心配よりも、その商品の魅力を言語化して端的に伝えるという『プレゼン力』のほうが、消費者やユーザーにとって口コミへのハードルになっているのではないかということ。


むしろ、心理的なハードルに関しては逆だとさえ思っていて、できることならば自分のお気に入りの商品や作品の良さを知ってもらって、感想を共有し合いたいと考えている人のほうが多いのではないでしょうか。

いま、『オタク』という言葉は、一昔前の暗いネガティブなイメージよりも、何かに熱中しているという意味で、ポジティブなニュアンスとして使われる場面も増えてきました。


だからこそ、問題なのは自分の推しているブランドなり作品なりの魅力だったり好きなところだったりを、的確に言語化できないということだと感じています。

これはぼく自身の経験に依るところも大きいんですが、自分の好きな作品って、面白いとは思っているんだけど、例えばそこで特に好きなシーンを説明しようとすると、登場人物やストーリーの解説からしなきゃいけません。

でも全部を全部解説していたら膨大な量になってしまうし、聞く相手もそこまで尺を割いてくれるわけではないので、いらない箇所を削る必要があるんですが、このあたりさじ加減って、めちゃくちゃ技術がいります。

そうなると結局『ダマサれたと思ってとりあえず買ってみて!見てみて!』に行き着いてしまうんですが、これだけ商品やコンテンツがあふれた時代に、誰もダマサれたくありません。


そこで最近ぼんやり考えているのが、多少プレゼンの技術が低くても、その商品なり作品なりを好いてくれている人たちが、SNSに投稿しやすい『フォーマット』のようなものを、ブランドや作品側が用意するということです。

このフォーマットというのが、いまいちぼくのなかでまだイメージがわききってなくて、抽象的な表現にはなってしまうんですが、、、


例えば、フォーマットとはまた少し違いますが、noteの『お題企画』は、機能としては同じ役割を果たしているなと思っています。

お題企画も、なにか文章を書きたいんだけど、何を書いたらいいのか思いつかないという人のために用意された、ある意味での『フォーマット』です。

お題があることによって、noteへの投稿のハードルを下げることができます。


あとはテンプレみたいなものでもいいですし、大事なのは『いかに投稿者が頭を使わずに、持ってもらっている熱量をそのままぶつけてもらえるような形式になっているか』ということかなと。

付け加えるなら、『押し付け感』が出ないことも、めちゃくちゃ大事です。

『はい!ぜひこれに則って投稿してください!』感がアリアリだと、いかに好きな消費者といえども、冷めてしまいます。

観光地に行って、顔はめパネルで写真を撮る人がいないのと、同じような理屈ですかね。


だから、仕組みとしては投稿者の手助けをしているんだけど、あくまでも投稿者が『自分の意志』で投稿したと感じてもらえるようなフォーマットが理想です。

なかなか一筋縄にはいかなさそうなんですが、これからますます『口コミ』の影響力は大きくなってきそうな気がするので、引き続き口コミの発生しやすい『フォーマット』について、考えていきます。


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