「ピアノの全く新しい使い方」と学力
ゲッツェルスとジャクソンという心理学者が高校生を対象に調べたところ
『創造性テストの点が高い生徒達と、知能テストの点が高い生徒達を比べると、創造性が高い生徒達の方が学力が高かった』
そうです。
知能テストと創造性テストの違いを大まかに言うと
知能テストは「『ただ一つの正しい答え』を見つけられるか?」を主に調べ(例外もあります)、
創造性テストは「与えられた問題に対して、どれだけたくさんの答えを見つけることができるか?」を主に調べます。
例えば、創造性テストでは、
「ピアノの全く新しい使い方をできるだけたくさん述べよ」
というような問題に対して、
①家の鍵(ドアのナンバーキーシステムと連動させ、曲を正しく弾かないと開かないようにする)
②水槽(ガラスでできたピアノに水を入れて、そこで熱帯魚を飼う)
③包丁(グランドピアノの弦に上向きに鋭い刃物をつけ、上に食材を載せて弾く、弦の振動が刃物に伝わることで切れ味が増す)
④漬物石(ピアノの足の下に漬物の樽をおいて漬物石替わりにする。漬物に音楽の振動が伝わりおいしくなる)
⑤びっくり箱(ピアノのあるキーをひくと、ピアノからピエロの人形が飛びだす、交代でそのピアノを弾き、ピエロを飛び出させた人が負け)
⑥打楽器(ピアノの様々な部分を打楽器とみなしてマレットで叩く)
と答えたりします(これらは私の授業で学生が出した答えです)。
ここで一つ疑問がわいてきます。
学力テストで主に測られるのは一般的に「ただ一つの正しい答え」を出す力ですよね?
なぜ、学力テストと同じように「ただ一つの正しい答え」を主に求める知能テストより、創造性テストの方が学力と関係していたのでしょうか?
そもそも知能テストは、20世紀初頭のフランスで、義務教育が始まる前の子ども達の中から、就学後に勉強についていけなさそうな子を見つけ出すために作られたのが始まりです。
つまり「まだ勉強をしていない」状態を測定するものです。
勉強をしていない状態から、どれだけ頑張ったかで学力は全然変わりますよね
また適正処遇交互作用といって、どんな習い方、どんな勉強の仕方が一番良いかは人によって大きく違います。
ある人にはとても効果的な学習・勉強法が別の人には当てはまらなかったりします
つまり、最初の勉強していない状態がどうであれ、いろんな方法を創造的に試してみて、自分にあった方法を見つけて、それを使って頑張れば学力は伸びるということです。
いろいろ試してみましょう(*^▽^*)