「やめてしまっても、また始めれば良いという話」(人は、学んだことを全部忘れてしまったと思っても、もう一度勉強すると前回よりも早く覚えられる)
こどもの頃エジプトに住んでいたと学生達に知られると『エジプトの話聞きたい』というリクエストが来るので、授業内容(心理学)に関係する話を時々します。
これからここに書く話は、私自身よく思い出して励まされる話です(自分でハードルを上げていくスタイル)
エジプトに住んでいる日本人の人達が集まってアラビア語の勉強会をしていたとき、参加したある人が『なかなか継続して勉強することは難しいですね…続けてしないとダメだって分かっているんですけどね…』とつぶやいたそうです。
すると、先生は『やめてしまっても、しばらくしてまた余裕ができたときに始めれば良いんですよ。そしてまた忙しくなったりしてやめてしまっても、また、その後余裕が出来たら始めるんです。それを繰り返しているうちにだんだんできるようになります。』とおっしゃたそうです。
この話を聴いたとき、こども心に『そういう考えもあるんだな』と不思議に感じたのですが、心理学に再学習という現象があることを後年学んで『このことかも』と思いました。
再学習とは『学んだことを全部忘れてしまったと思っても、もう一度勉強すると、前回よりも早く覚えられる』という現象です。
つまり、勉強や練習をやめてしまって、覚えた内容を完全に忘れてしまったと思っても、その記憶の痕跡がちゃんと心身に残っているということになります。
学んで覚えたり身に付いたりしたことは、たとえやめてしまってもゼロには戻らず、次にまた始めるときをじっと待っているのです(*^▽^*)
注1)、もちろん学習と学習の間の期間が短いほうが再学習の時間も短くてすみます。しかし、かなり期間があいても、最初の学習よりも次の学習のほうが短い学習時間で覚えますので、忘れたと思っても記憶の痕跡は心身に残っているということになります。
注2)、『仕事で使っていたら自然に現地の言葉を覚えるんじゃないの?』という疑問がよせられましたが、エジプトは英語が通じますので、英語でコミュニケーションとる人が多かったです。
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