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武士の哲学:斎藤道三編
もうすっかり大河ドラマでお馴染みの戦国大名=斎藤道三ですが、彼の家紋(表紙)、めちゃくちゃかっこ良くないですか?家紋の名前は「二頭立波(にとうたつなみ)」と呼ばれるもので、なんと道三のオリジナル家紋だそうです。
そもそも家紋の始まりは、平安時代と言われています。当時の貴族たちが牛車で朝廷に出仕した際に、他の貴族の牛車と間違えぬ用、家紋を作り牛車にペイントしたのがその始まりで、その後武士たちにも波及して行きました。
戦国時代には、有名な公家や武士から家紋を下賜され同じ紋様を使用したり、少しアレンジしたりしていたそうなのですが、全くオリジナルの家紋を作るのは珍しい例だったそうです。道三の父は油売りで、道三自身も身分の低い武士から下克上で美濃国(現在の岐阜県) を治める戦国大名になりました。このオリジナルの家紋を作るに至った経緯は、道三の生い立ちと密接に関係しているのかもしれません。
家紋にこめられた意味
そこで、"二頭立波"紋。良く見ると、波の飛沫が左が二つなのに対し、右が三つとなっています。これは、「この世には割り切れるものと割り切れないものがある」ことを示唆しているとされています。
「世の中には、自分の力でなんとかできる部分もあるが、できない部分もある、その事実をしっかりと理解すべきだ」このある種の「一人の人間として成しえることの限界点」を直視した道三だったからこそ、成り上がれたのではないかと思います。
今の世の中も、「目標を設定してその達成に向けて頑張る」「努力すれば必ず報われる」そのような言葉を良く耳にします。それ自体は100%正しいです。ただ、「いやいや、それでも最後は神のみぞ知るでどうにもできない部分もあるよな」と、自分ではどうにもコントロールできない部分も存在することも理解しておくべきではないかと思います。
今回のコロナは、そのことを僕たちに教えてくれたのではないかと。ゴールデンウィーク初日が快晴の中で、家に籠らなければならない現在の状況を納得させるべく、この記事を書いています。
斎藤道三:NHK 「麒麟がくる」より。