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三崎の本と屯にて 「築90年の古民家を住み継ぐこと」



こんにちは。写真家の渋谷健太郎です。今日からnoteを始めます。みなさんよろしくお願いいたします。

先日、三浦の三崎町でやっているみうら夜市へ行ってきました。

みうら夜市とは、商店街のおかみさんたちが頑張って盛り上げてきた祭りで、以前は「夕市」と言って毎月最終土曜日にやっていたものが現在の形になったのだそうです。



この日はもう一つ目的があって、「本と屯(ほんとたむろ)」のミネシンゴさんにお会いしにきました。

「本と屯」とは、ミネシンゴさんの出版社「アタシ社」の蔵書室。三崎銀座通り商店街にある築90年の元船具店をリノベーションして、2017年にオープン。店内には、2000冊の本が所狭しと並べられ、だれでも自由に読むことができます。道路を隔てた目の前には、三浦市に残された三軒の本屋のうちの一軒があります。





この日、「本と屯」の前の出店を手伝っていた横浜市立大学のみなさん。


ちょうどその日は横浜市立大学の学生さんも来られていて、古き良き佇まいのお店に若い人がひっきりなしに出入りする様子は、このまちに新しい出来事が絶えず起きているようで、「本と屯」という古くて新しい場所にじんわり感動していました。



向かって左がヘアスタイリストの菅沼さん、一人置いてミネさん、奥の女性が奥様の佳代子さん、向かって右が写真家の有高唯之さん。皆さんほんと楽しかったです。ありがとう。


三崎のまち、三崎銀座や「本と屯」……。かつて逗子にお住まいだったミネさんが、このまちを選んだ理由や、古民家リノベーションをしたことについて、ハイボールを片手にぼんやりと考えていました。
この日お会いした人たちとも、ほぼ初対面だったに関わらず、まるで旧知の友のように懐かしい時間を過ごせました。これもまさに、歴史ある三崎銀座商店街の培ってきた物語ゆえんですね。

「本と屯」の柱や壁板、ガラス戸、土間などから、当時ここにお住まいだった家主の暮らしぶりが感じられ、それは今、他所からきた若いミネさん夫妻によって受け継がれていきます。
築90年の古民家を住み継ぐこと。それは例えば、都心で古い建物を取り壊した後にできた真新しい建物で暮らし始めるのとは、全然違います。



まちの中は、さらにそれ(住み継ぐこと)が感じられました。路地や家並み、またそのテクスチャー、看板など、地域の人々に永い時間をかけて愛され、使われてきたもので溢れています。誰か一人の手によって作られたものでなく、半ば自然発生的に生まれ、人々の暮らしの積み重ねに紡がれた風景だからこそ、安心してすっと入っていける。



昼間の三崎銀座。ここは神社から続く道で、賑やかな表通りに向かいます。


通りを少し入って南海神社に向かう途中、参道で追いかけっこする子供たちに遭遇。三崎には昔ながらの元気な子供たちが多い。


バス停のあるロータリーで。塗りなおし中の「不動産」の文字と、いい味の物件が並んでいました。


満ち潮の時間帯。城ヶ島は天然の防波堤になっていて、三崎港の海面を穏やかにしているのだそう。三崎の人々のおおらかさ、あたたかさは、この海に育まれているんですね。



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