諺とブランディング (その2)
僕は「諺(ことわざ)」にはブランディングのエッセンスを含んだものが少なくないと思ってます。
essence(エッセンス)とは
本質的なもの。最も大切な要素。精髄。
前職スターブランド退職後の講演やセミナーでは孔子の『論語』や、今日のテーマの『諺』とブランディングの話をすることが多いのですが
(#スタブラの世界観とは合わないので寝かせておいた)
話を始めるとオーディエンスは、
「え、論語?え、コトワザ?」
「つまらない話が始まるの?」
という怪訝な反応を瞬間的に示すのですが、
(#よっぽど義務教育時の授業がつまらなかったんだな)
終了後に感想をいただくと、
「目から鱗だった」
「論語や諺って結構おもしろい」
という意見が沢山の人から出てきます(笑)
たまに学生向けの講演やセミナーを行いますが、決まって言われるのは
「学校の授業もこんなにわかりやすくて面白ければ、もっと勉強するんだけどな〜」という素直な意見(笑)
さて、話を本題に戻しますが、
このブランディングと諺(その2)では、
『馬子にも衣装』
の話をしていきたいと思います。
馬子にも衣装? 孫にも衣装?
この言葉の意味は、
「どんな人間でも身なりを整えれば立派に見える」
この意味の由来は、
「馬子」とは、昔、馬に荷物や人を乗せて運ぶことを
職業とした人のことで、そんな馬子のような身分の低い
人でも羽織袴を着れば、立派に見えることから。
前回の『足許を見られる』で僕が提案したのは、
『自分が身につけているものすべてが、
”自分”を現していると思いなさい』ということ。
そして今回の『馬子にも衣装』からは、
『こう思われたいという自分像があるのなら、
すでになったつもりで振る舞いなさい』ということ。
『馬子にも衣装』を”戦略的に行う”という感じです。
英語の諺にも似たものがありますが、
“FAKE IT, TILL YOU MAKE IT.”
(なりたい姿があるのなら、すでになったつもりになりなさい)
この”FAKE”ってどうも悪いイメージがあるようですが、でもそもそも「学ぶ」の語源は「真似る」です。
VIVA “FAKE”!!
既製品のビジネススーツを買うのをやめる
僕が30歳になったときに、「35歳までに、教わる側から教える側になる!」と決めて、既製品のビジネススーツを買うのをやめました。
めちゃくちゃ頑張ってフルオーダー。数種の生地選び&サイジング程度のセミオーダーではなく、形から何から全てオリジナルで決めるフルオーダー。
すると、かなり目上&格上の経営者の方々から褒められたり、『Followers』の主人公リミの言葉にあったように「戦闘服」という感じでテンションがアガる。普通のビジネススーツやネクタイでは、そんなにアガることはありませんがこれはアガる。
そこからはオーダースーツにハマり、英国側の正当なテーラードを勉強し、
(#スタブラ時代の僕を知る人は意外に思うかも)結構スーツに詳しくなりました。
その後、結構色々な人(主に経営者)の買い物同行をすること何十回(その内ほとんどスーツを作りにいく)。何十着ものスーツをオーダーするお手伝いをして、他人様のお金でかなり勉強させていただきました(笑)
話が余談ばかりですが、
(#大事な余談)
予断を許さない行き当たりばったりの服装をするのではなく、ゴールからの逆算で戦略的に計画的に服を着ることが大切です。
「印象的な服を着ることは、より良い人生につながる」
というのは、ヴィヴィアン・ウエストウッドの言葉。
もちろんここでいう「印象的」とは、奇抜なものでも、派手なものでもありません。
自分が与えたい印象を象徴するもののことです。