Branding Book Summary.#006
Branding Book Summary.
by Ken Kona
実績豊富で机上の空論ゼロのブランド戦略家が
片っ端からブランディング本を読んでみた。
#006
『小さな会社を強くするブランドづくりの教科書』
(岩崎邦彦著 / 日本経済新聞出版社)
中小企業ならではの
「企業ブランディング」を
期待させるタイトルだけれど、
実際中身は終始
「商品ブランディング」の
基礎や調査結果が書かれています。
でも事例として出てくるのは
スタバやマクドナルドなど
大企業の名前も多く、
全体として違和感を感じました。
その「違和感」とは、
この著者は実務経験がほとんど
ないのでは??
…と思って著者を調べてみたら、
・静岡県立大学経営情報学部教授
・地域研究センター長
とのことでした。
経歴としても、
・公民金融公庫
・東京都庁
・長崎大学経営学部助教授
(専攻はマーケティング)
・現職に至る
ということで、
やはり感じた通り「実務経験」は
ほぼゼロという感じ。
で、読みどころを探していくと
260ページに、
「ブランドが失敗する10の理由」
という項があり、こう書かれている。
:::
ブランドづくりは簡単にはいかない。
ブランドづくりは成功する企業よりも
失敗する企業の方が多い。
ここに一つでも当てはまれば、
ブランドづくりはうまくいかない。
1)品質管理がしっかりしていない
2)戦略がない
3)共感性の欠如
4)コミュニケーションに一貫性がない
5)無関係なブランド拡張
6)なんでも屋になる
7)消費者の声を聞かない
8)値引き競争をする
9)感性に訴えない
10)動きがない
:::
「ブランドづくりの失敗要因」
というのはかなりみんなが
気になることであり僕の前職時でも
セミナーの人気コンテンツでした。
この本で言っていることはもっともだけど、
そこに「現場感」を一切感じないのがちょっと問題。
:::
僕が「商品ブランディングが失敗する10の理由」
を挙げるならば、
1)「誰のため」のものなのか一目でわからない
2)「この商品を使うとどうなるか」が見えない
3)「スタッフ自身が愛用」していない
4)「パッケージ」や販促ツールがダサい
(ギフトにできない)
5)「まとめ買い」した方がいい理由がない
6)「商品バリエーション」がやたら多くて迷う
7)「機能やスペックしか」謳っていない
8)「環境や時代性」に配慮されていない
9)「クチコミが起きるストーリー」がない
10)「価格帯」がハッキリ区別化されていない
という感じになります。
:::
でも最後の締めのひとことは同意。
「これでいい」と思った瞬間に、
ブランドの衰退がはじまる。
ブランドづくりにゴールはない。
毎日がスタートだ。
:
巻末に載っている「主要参考文献」が
ざっと40冊(!)
先生がそれらをまとめた本、
という感じでしょうか。
:::
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