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Branding Book Summary #013

Branding Book Summary.
by Ken Kona

実績豊富で机上の空論ゼロのブランド戦略家が
片っ端からブランディング本を読んでみた。

#013
『1分間ブランディング』
(石井貴士 / ヨシモトブックス)

まず、読みドコロから!

タイトルの『1分間ブランディング』から、
「1分でサクッと読めて理解できるカンタンな内容を
売りにしている本なのかな?」
と思わせますが、

はじめて会ったときの、

「7秒の第一印象」よりも、
その後の「1分のブランディング」で
あなたの価値は確定する

ということみたいです。

なのでタイトルからは分かりづらいですが、
「個人ブランド」についての内容の本です。

目次を抜粋すると、

第1章「ブランド」とは何か?
01:ブランドとは、ひとつのことに特化して、
   ほかのものを捨てることだ
02:余計なものを捨てなければ、
   ブランドはつくれない
03:ブランドは、「1対1対応」が基本
04:「シリーズ化」によって、一発屋はブランドに変わる
第2章 ブランドを作る5つのメリット
01:メリット①同じ商品でも、高値で売れる
02:メリット②発言の内容を聞いてもらいやすくなる
03:メリット③「価格設定」が自由にできる
04:メリット④まわりに誰がいようと、ライバルをごぼう抜きにできる
05:メリット⑤広告費をかけなくても、ものが売れるようになる
第3章 ブランドを貫くための「ミッション策定方」
01:「ミッション」がなければブランドは作れない
02:ミッションには「個人ミッション」と「会社ミッション」がある
03:ミッションとは「自分の命をかけてでも、達成したいこの」のことだ
04:過去に心が動いた出来事の中に個人ミッションのヒントがある
05:個人ミッションを会社の「社名」にする
第4章 自分の価値を高める「セルフブランディング法」
01:自分のブランドは自分で作る
02:誰もいない空き地を見つけて、旗を立てる
03:ダブルスキルでオンリーワンになる
04:ライバルが横にいても負けないのが、ブランドだ
第5章 無名でもブレイクできる「ブレイクブランディング法」
01:一発屋になるのを恐れずに、「一発当てる」ことを目指す
02:ブレイクするかどうかは、「テストマーケティング」でわかる
03:「◯◯の田中さん」と言われるようになると、ブレイクしやすい
04:ブレイクするには、「一点突破、全面展開」で考える
05:ブレイクが落ち着くまではほかのことをしてはいけない
第6章 長期的な成功を築くための「ブランディング法」
01:どうすれば、ヒットを連続させることはできるのか?
02:シリーズ化をすれば、「逆の時系列のウェーブ」が作れる
03:「シリーズ化」を前提にアイデアを考える
04:短期的には、コンセプトを重視
   長期的には、個人名を重視
05:アピールポイントは、コンセプト→シリーズ化
   →個人名の順番で変える
第7章 ブランド人の第1歩を踏み出すための「名刺作成術」
01:ブランド作りの第一歩は、「名刺」を手に入れること
02:2つ折りや、チラシつきの名刺は作らない
03:名刺に「ロゴマーク」を入れるとブランドのエッセンスを視覚化できる


ということで、
僕が線を引いた箇所を中心に
ここから順番に解説していきますね。

1)第1章01

「ブランドとは、ひとつのことに特化し、ほかを捨てることだ」

…と言い切っていますが、
これは「フォーカスブランディング」という手法。
様々なブランディングの手法がある中のひとつですが、
絞ることで「専門家化」しやすくなりとても有効です。

僕も「事業ブランディング」「商品ブランディング」
や「個人ブランディング」でよく使います。

総合店よりも専門店。
旨いトンカツを食べたかったら、
人はファミレスではなくトンカツ屋へ行くということです。

ラーメン屋でも、
人気の店ほどメニュー数が少なくて
「中華そば」のみ、とか。
イマイチの店ほどメニューが
とめどなく沢山あったり…

2)第1章02

ここではブランドの作り方が、
2ステップに凝縮されていて、

「①すでにブランドになっている人(会社・商品)を見つける」
「②その人(会社・商品)の真似をする」

いいお手本を見つけて真似ろ!ということですが…
「マネ」をすることをネガティブに捉える人って
結構多いなと思うのです。
「人マネ・猿マネではなくオリジナルでやれよ」と。

でも、僕は大賛成!
だって「学ぶ」の語源が「真似る」ですからね。

まねる
まねぶ
まなぶ

最初はそれでいいんです。
その方が早いし分かりやすい。

あ、このページで
「ビールと、コーラと、ウーロン茶が好き」と言って、
全部混ぜたところで、ブランドにはなりません。

と書かれていますが、
近年の大サウナ流行で生まれた
サウナー専用ドリンクに「オロポ」と「アクリ」という
すでにブランド飲料になったものがあるのですが…

オロポ=オロナインC+ポカリスエット
(関西)

アクリ=アクエリアス+リポビタンD
(関東)

こんな「例外」があるのは余談です(笑)

2)第1章04

一発屋で終わらなかった人とは、「一発当てたあと、シリーズ化をして人気を継続させた人」のこと。

…これも、その通り。

商品ブランドにおいては、
ある商品が「ロングセラー」になる場合もありますが、

こと「人」においては、
・一発屋
・二発屋
・三発屋
…と続いていき、
結局「飽きられる前に次」をし続けられるかどうか?
という話ですね。

時代の移り変わりが早く、市場の変化も、
近年で言えばコロナによって世界が一変して
しまったことも考えると、

この「単発の繰り返しが連続に見える」
常に意識するのも現代においてはとても重要ですね。

3)第2章02

同じことを言ったとしても、
話し手に「ブランドがある」のか「ブランドがない」
のかによって、聞く側が受け取る価値は変わります。

これもみんな痛感するところだと思います。
どんなことでも大体はネット上で検索したら出てくるし、
「専門家」なんてみんなほとんど同じことしか言っていない(笑)

でも「誰が」いうのかによって全く違ってきます。

自分が何かを発信するときにそう感じる人も少なくないでしょう。
(自分の方がいいこと言っているのに、なんであの人の方が沢山いいねがつくの?)

そのために必要なのは、前出の「専門家化」「人柄(キャラ)」でしょうね。

4)第3章01

ミッションがある個人・会社はブランドになれますが、
ミッションがなければ、ブランドにはなれません。

ブランドとは「応援者」をつくることとも言えます。
そう考えると「利益しか考えていない会社(自分のことだけ)」よりも
「地域や社会に役立つことを考えている会社(誰かのために)」の方が
応援してくれる人が増えるのはそこに「ミッション」
あるからです。

ミッションとはしばしば「使命感」と訳されますが、
言い換えると「志」です。
「志」とは「誰かのために」動くこと。

単純に言い換えただけの解説になってしまいましたが(汗)
「応援」してもらうこと、
「共感」してもらうこと、
はSNS時代のブランディングには必要不可欠な要素です。

5)第4章03

「ダブルスキルでオンリーワンになる」

…これは高城剛さんや本田直之さんが
よく言っていることと同じかなと思いますが

自分の価値を高めようとして
「100人にひとりの能力」
になったとしても同等の人は沢山いる。

そこで、

「100人にひとりの能力」を、
「1000人にひとりの能力へ高めていくことよりも

まったく別のことで
「100人にひとりの能力」をもうひとつ持てば、

「100人にひとり」×「100人にひとり」
=「1万人にひとり」となりうる。

こっちの方が早いし、応用も効くと。

これもとても重要な考え方ですが、
ポイントは似たようなことではなく
まったく違うものを掛け合わさないと
最大効果が出ないというところですね。

:::

僕がアンダーラインを引いたところは以上ですが、

全体的には、

・1章が4〜5つの項目に分かれていて、

・各項目が2〜8ページ構成なので読みやすい。

・1冊丸ごと「1分」とはいかないがサッと読めてしまう。

・随所に「例え」が多いのでそれも読みやすさを高めている。

・ブランディングという非常に広範囲に渡るものを、
かなり絞って凝縮してあるので、普通の人が読んでも
理解不明な部分は相当少ないと思われる。

・が、しかし最後のまとめ方が「名刺・ロゴの作り方」
になっており、その内容がかなり浅いのでそこはちょっと…

・2017年に出版された本(3年前)にしては、
個人ブランドを考える上では中途半端すぎるように感じる。

・SNSブランディングというとこれも薄っぺらいが、
せめて個人名で仕事を取るという意味では、
「ブログのメディア化」と「リアルな場での一目置かれ方」
は少なくとも必要に思います。

でも、全体的には楽しく読めるので、ぜひご一読あれ!

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