アキレス腱断裂のリハビリテーション
スポーツに限らず様々な症例を見る機会が多い。
仕事中であったり、アマチュアスポーツレベルであったり、基本的に安静度内では予防的観点で進めていくのが間違いないと思う。
背屈角度に関してはアキレス腱装具着用の場合、OFFになった後のテクニカルな部分も大切になってくる。
特にスポーツ復帰を考えた場合、これは競技レベルに問わず下腿三頭筋筋力と足関節の背屈角度がネックになる場合が多い。
まずはアキレス腱断裂における保存療法と手術療法の差異として調べうる限り最近の文献では
「アキレス腱断裂における保存療法と手術療法」
1年後の下腿三頭筋筋力は受傷前レベルまで回復しない
手術直後では再断裂予防のためニュートラルでの体重負荷を行う
↓
ニュートラルでの体重負荷で再断裂なし
受傷後16〜20週はランニング、非接触スポーツは避ける
ランニング復帰基準
・片足カーフレイズ
・踵上げ歩行
・健側比で下腿三頭筋の筋力低下が25%以下
↓
受傷後12週で獲得
術後6ヶ月で片脚カーフレイズは可能
一般的に受傷側の下腿三頭筋筋力は10〜30%筋力低下あり
↓
・Single Calf Raiseか
・スポーツを行うことができる患者でも下腿三頭筋最大周径左右さ1.6cm減少
・等速性屈曲ピークトルクの不足
スポーツ復帰を目標としたリハビリテーション(病院、クリニックなど)では、下腿三頭筋最大周径左右差を目標にしてしまうと難しくなってくる。
本来であればスポーツトレーナーなど現場でサポートができるスタッフがいれば、病院レベルでリハビリテーションはある段階で切り替えてもいいのだろう。しかし実際のアマチュアスポーツ現場において上記のようなサポート体制のある場面はほとんどない。
段階的なダッシュ、ジャンプなどを独自の判断で行なっていただくことになる。
カーフレイズを行う際、踵骨の挙上制限、後脛骨筋、腓骨筋の筋力低下、早期の前足部内反代償など、元々の足部機能と受傷後のパフォーマンスの低下で下腿三頭筋のみならず、荷重位での不安定さを呈する場合が多いと感じる。
アキレス腱断裂に関してリハビリテーション内で注意がけている点について後述していこう。