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「市場価値」とは課題解決力であり芸風

こんにちは!S hireの加藤です。
今回「市場価値」についてお話しようと思った背景としては、以下の通りです。

  1. 転職希望者の方からご自身の市場価値がどのくらいなのかとご質問いただくことがある

  2. 巷に溢れているワードではあるが、非常に分かりづらく抽象度の高いワードだと考えていた

これらの理由から、自身としてもこの「市場価値」というワードへの考え方をしっかりと言語化しておきたいなと考えました。

私が得意な領域であればその方の市場価値をお伝えすることが出来るのですが、100%ドンピシャで言い切れるかというとそこは難しいと思いますし、そういう曖昧なものでもあります。その上で個人的に大事にしている考え方があるので、是非共有できればと思います。

結論としては、市場価値という概念は曖昧で分かりづらいものであり定義は難しい。だからこそ誰かに判断されるだけではなく、自分自身でも物差しを持てることがキャリアにとって大切であるというものです。

そもそも市場価値とは何だろうか?

ネット等で市場価値と検索していただくと、「需要と供給」と記載があります。そりゃそうだよねと思いつつ、これを見てもあまりしっくりせず難しいなと感じます。
例えば、日本で売っている水1杯の価値と砂漠のど真ん中で売る水1杯では、砂漠での価値を高く設定できるように、需要と供給によってモノの価値が決まるのは当然かと思います。しかし、これは客観的にその価値を付ける人が砂漠に行くまではその過酷さが分からない(=人によるし、正しい値付けができない)という前提もあり、つまりは需要と供給という言葉だけでは、なかなか正確性が担保できないよなということです。
では、現在年収の高低で決まるのかというとそうでもありません。ある程度の年収レンジで判断できる部分もありますが、所属企業の年収レンジや事業状況次第の部分でも変わってくるので、一概に言えないなと思います。
(なので個人的には市場価値診断とかは眉唾です。)

世の中に色々な把握方法はあれど、やはり市場価値は非常に曖昧なものであるのと同時に、必要な時が予期しないタイミングだったりするので余計正確性の担保が難しい。しかし、市場価値が高いほうがキャリアにおいては有利と言われる。
であれば、市場価値への理解と把握の仕方をそれぞれの人がしっかりと持つことで、世の中にも良い作用をもたらせていくことができるという観点から個人的な考察を記載します。

(参考)
こちらのPIVOTも非常に詳しく、以下の方程式を教えてくれます。
【市場価値=希少性×市場性×再現性】
これを把握するためには、社外の人と話すことで客観視する機会を設けると良いという話です。確かに私自身もその考えには非常に共感できます。


具体的に自身の市場価値を言語化するには?

上記の方程式を活用してみるとして、それぞれの項目(希少性、市場性、再現性)を自分なりに考える。というのも一つの手ではありますが、更に手前のそれらをどう言語化するのか?が難しいので、その手法として私は以下を考えます。

(1)自身の課題解決力を把握する

・何ができるのかという羅列より、具体的にどのような課題を解決してきたのかということが非常に重要
・過去の経験の中で、組織の課題を自身のスキルや経験でどれだけ解消して組織成長を導いたことがあるか
・事業運営や会社運営は課題解決の連続で、その課題に対して誰がどのように何をしてきたのかという積み重ねがとても大切

(2)課題解決を単発ではなく何度か行い、アウトプットが都度向上している仕事は何かを考える

これは再現性の話に通ずるイメージなのですが、個人の再現性って実は結構把握が難しいです。(何度も何度も同じ課題が舞い降りてくることはあまりないですし笑)
・再現性はずっと同じアウトプットでなくてもOKで、ストーリーが大事
・ポイントは「アウトプットが都度向上している」という点が良い


例えば、経理の方が決算を締めるのに掛かっていた時間を10営業日から7営業日にしたというのは、1つの課題解決です。更にそれを改善させ、7営業日から5営業日にしたという2回目の課題解決になります。
この2回目の課題解決では、何が問題で具体的に何をすることでどう改善できるのかということを把握したうえで更に短縮できたことになるので、より高い課題解決力が発揮できた(=アウトプットの向上)となります。
また、これらの経験を他の仕事や他社で活かせることなどがあれば、その分野でのその方の市場価値というのは非常に高いものだと判断できます。

(3)定量だけではなく、定性的な話でもOK!

組織は、人と人との集まりのため、定性的な面も市場価値になると考えています。
例えば、いつも暗いミーティングを自身が元気に明るく活性化させた!部署間の関係性がぎくしゃくしていることに気付き、話し合いの場を設け、架け橋となってコミュニケ―ションを円滑化させた!なども重要な市場価値の判断基準となる要素の一つです。性格が明るく、場の空気を変えられるなども武器になると思います。なぜそれができるのか?はすごい大事です。
ただ、この点については非常に人に伝えづらく判断しづらいので、定性一本足での勝負だけではなく定量的な面と定性的な面をセットで持ち合わせているとベストです。

そして私はこれらを総称して「芸風」とも呼びます。
番組や舞台に呼ばれ、必要とされる役割を全うする力であり、自身の生き残りを支える唯一無二の武器です。芸なので最初から完成することはありませんし、日々鍛錬して磨き続けるものです。


言語化→把握の精度をより高める方法とは?

既出の通り、市場価値は非常に曖昧です。
また、実際に自身の考えだけではその判断が間違っていたり、客観的に把握できていないこともあるかと思います。自身の判断だけでは正確に捉えられないことも多いため(例えば、自身が会議を盛り上げていると思っていても、それは会社からしたらただの空気を読めていない行動であったり、課題を解決したと思っていたが実際はそうでもなかったり等)、基本的に受け取り手は他者であるため、他者の話から「把握の精度を高めること」が重要だと考えます。
その上で周囲の意見をしっかりと聞くことが正確に把握することに繋がるのですが、ここでもポイントがあると考えます。

結論としては、『キャリア形成も「イシューからはじめよ」』です。

各所と話す内容としては、マーケットや事業領域/企業毎/組織のフェーズ、自身の経験に近しい求人情報に関して「今の課題は何なのか?」をコミュニケーションから把握することが大事です。
自身の課題解決力が各所の課題とフィットするのか?を把握する訳です。どれだけ貢献できるのか?ということです。これを継続すると、自身の課題解決力把握の精度はリアルなものに近づいてきます。それが市場価値と言えるのだと思います。

そして、課題解決し続けてきた先に「キャリア形成」や「キャリアアップ」がある場合が多いので、市場価値の向上がキャリア形成に繋がると考える方が妥当です。キャリア形成の先に市場価値の向上があると反対に捉える方も多いとは思いますが、どうしてもキャリア形成が先に来てしまうと「あれもしたい」「これもしたい」と自身の欲や達成したいことが強くなりすぎてしまうので、市場を知った上で、自身の価値を把握し、その先にチャンスがあると捉えてもらえば非常に分かりやすいのかなと思います。

司会者になりたい!番組を持ちたい!と考えて動くのはそれはそれで素晴らしいのですが、目指すべきはまずはひな壇からの一つの爆笑です。


スタートアップは市場価値を高め易い環境

そして最後に、私が支援しているスタートアップ領域は課題が山積みであるため、その環境に身を置きトライ&エラーをしていけるチャンスや回数は非常に多く、その中で自身の強みや再現性を把握していくことができるとても良い環境であると言えます。

また、このスタートアップで、様々な課題解決力や試行錯誤を繰り返し行うことは、努力次第で進めていくことができますし、同時に課題を把握する力も求められるので、質問力も高められます。
一方、事業成長もマーケット環境やメンバー次第な部分もあるため、リスク/リターンのバランスが存在することは認識しておかなければいけません。逆に成功した場合はその再現性で勝負していけますし、スタートアップでの市場価値が向上したということに繋がります。

またスタートアップはドックイヤーと言われていており(人間と犬での時間の体感が異なるという話)、スタートアップでの就業期間は高速度で課題解決力などが身に付きやすく、その力を高めていける環境です。そのため上記のようなスピード感で力を高めていきたいと思っている方々には、是非チャレンジして欲しいと思います。


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