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02_研修デザインのオモテ_楽しさ

このマガジンでは、ICT夢コンテスト2023で発表した内容のうち、私が担当したパートを公開していきます。一部、個人の見解や解説を加えていますが、所属する組織とは関係のないことを予めご理解ください。
このnoteが孤軍奮闘する仲間に届けば幸いです。

前回のnoteでは、研修を個別最適化する必要性と、その具体について紹介しました。今回はデザインに込めた「楽しさ」です。


今までにないインパクトを

みなさんは、教育委員会主催の一斉研修にどのようなイメージを持たれていますか?そのイメージは自治体や内容によって違うとは思いますが、「楽しい」と答える方は多くないのではないでしょうか。

もちろん、「楽しい」を全面に出すことが全ての研修において正解であるとは考えていません。しかし、今回のICT研修では、

  • GIGAスクール構想に対してネガティブなイメージ(「従来通りで十分」「ICTは苦手意識がある」「トラブルの原因になる」)を持っている人にも、安心して前向きにICT活用をとらえてもらいたい

  • 各学校で燻っている人(「校内で温度差があり、児童生徒にGIGA端末を使わせられていない」「業務改善を提案しづらい雰囲気がある」)の背中を押して、安心して一歩踏み出せるようにしたい

という思いから、「楽しい」を全面に出そうと決めました。

楽しい→フェス

では、どうやって「楽しい」を実現するのか?
「今までにない」「満足度が高い」「自分に合ったものを選べる」そして「楽しい」…そんなイメージからたどり着いたのが「研修をフェス形式にする」というアイデアでした。(※フェス:FUJI Rock フェスティバルのような野外音楽フェス)

研修案内をまつりのポスターに

まずは手続き上必要な、従来型の研修案内に祭りまつりのポスターCanvaで作成)も併せて発送してもらいました。(前例のない自由な試みを許可してくださった教育委員会に感謝しています)

従来型の研修案内
まつりのポスター

これをみただけでも(お、今回の研修は何か違うぞ?)と思ってもらえるはずです(その分ハードルも上がりますが)

機能的な楽しさ

しかし、ノリだけの「楽しさ」では不十分です。ふざけているだけだと思われては逆効果。楽しさと機能性を掛け合わせることで、「楽しいし役にたつ」を実現したい。
そこで、ポスターの次にフェス専用サイトを立ち上げました。

研修の内容は、専用のGoogleサイトに、「内容」、「使用するアプリ」、「対象」、「難易度」、「担当者」を事前に公開しました。

サイト内のサムネと概要は各担当が共同編集で制作
イラストと☆(難易度)のイメージでミスマッチを防ぐ

専用サイトで研修の具体的なイメージをもつことで、参加者が自分のニーズ(内容やレベル)に合った研修(セッション)を選べますし、「思ってたのと違う…」というミスマッチを避けることができます。

このように、ノリだけの楽しさではなく、必要な機能と楽しさをどのように掛け合わせるかを真剣に考えた結果が「研修をフェスにする」です。

1人1台のGIGA端末が配付されただけでは、授業や学校が変化することはありません。例年踏襲や現状維持を脱却し、学校をアップデートしていくためには、今までにないインパクトが重要です。

このようなアイディアは、学校外で取り組んでいるGEG Fukuoka Cityから多くのヒントを得ました。

今回は研修デザインのオモテ、つまり「楽しい」と「個別最適」を実現するためのデザインについてお話ししました。

次回は研修デザインのウラに込めたねらいについてお話しします。

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