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浮世でランチ

まだ佐世保に住んでいて、月の半分くらいを東京で過ごしていた十数年前のこと。
当時はまさに
「本の虫」
というくらいに、主に小説を読み漁っていました。

大田区の馬込駅すぐのホテルによく宿泊していた頃なので、たぶんその近所の本屋で買ったのが山崎ナオコーラさんの「人のセックスを笑うな」

小説の中で田園都市線に乗っているシーンがあるのですが(確か…)、まさにそのシーンを読みながら田園都市線に乗っていたのをよく覚えています。

いつの間にか本の中にストンと入り込んで、その色や温度を感じていたように思います。

その「人のセックスを笑うな」の後の小説

「浮世でランチ」

確かプロモーション先で単行本で買って、実家に帰ってから読んだはず。

うまく言えないのですが、この小説の中身が自分の記憶みたいな…感じ?
この小説のような体験はしていないのですが、それを知ってるような。
そんな感覚になりました。

言葉が呼吸してる。

足音が聴こえてくる。

隙間からちらつく光。

ともあれこの小説が好きなんです。

それ以来ずっと山崎ナオコーラさんの本を買っている私です。

「人のセックスを笑うな」も「浮世でランチ」もお薦めして人にあげてしまったのですが、先日文庫本を見つけて購入して読み返しているところです。

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