【悲惨?】エリートカルト2世の行く末【高卒アルバイター】
前回↓
ケンタ少年が、特殊な制約をいっぱい受けて、大きくなったお話。
記事を書こうと思って駅のカフェに歩いていると、
すれ違う初々しいスーツ、うつくしい振袖。
あ、そっか。
今日成人の日だったかと。
彼らがめっちゃまぶしく見えました。
私が成人したのも、たった数年前のことなんですけど。
負けてらんねえ!!
カルト2世・ケンタ少年の進路はアルバイト
私が自分の成人の日を迎えた時、
私の身分は、大学生でも、専門学生でも、会社員でもなく、
パートタイム労働者でした。
つまりは、バイトでした。
高校卒業後、与えられた3つの選択肢
我ながら勉強はとくべつ苦手ではなく、
高校は、卒業生の95%が大学に進学するような、いわゆる進学校でした。
友だちは当たり前に進学。
先生も、進学が当たり前だと思っている。
そんな、今思えば恵まれた環境で、私には3つの選択肢がつきつけられました。
大学に進学(エホバ的評価:×××)
大学をあきらめ一般企業に正社員就職(エホバ的評価:△)
高卒でバイトをはじめ、開拓奉仕をする(エホバ的評価:◎◎◎)
これまで15年以上にわたって受けてきた“英才教育”のおかげで、
わたしの主体性や、前向きに自分で決断しようとする力、批判的に物事をとらえる力はほぼゼロになっていました。
パワプロでいえば、
学力:A-
体力:C
あたまのよさ:G
こんな感じ。
そして、「エホバの望まれる通り」の選択を行いました。
つまり、選択したのは3。
あろうことか、進学も、正社員就職もせず、パートで働き始めたのです。
高卒・パートタイムではたらき始める
しかもその会社というのも、エホバの信者が経営している営業業務代行会社。
業務内容は、1日何十件も人様のおたくのインターフォンを押すという、
なんと、エホバの証人の奉仕とほとんど同じような作業をする仕事についたのです。
(当時は、これでどっちの訓練にもなって一石二鳥! とか考えてました)
会社のほぼ全員が信者で安心!!
カンタンなお仕事!!
がんばり次第ですぐに収入アップ!!
アットホームな社風!!(?)
そんな仕事を週に3日~4日、月で100時間くらい行っていました
※身バレ防止のため、仕事内容等はぼかしてます。
同時に、“開拓奉仕”をはじめる
なにも、ただラクをしたくて就職しなかったのではありません。
(自分で考えず、脳死でまわりが用意した流れにのったという意味では、ラクをしていましたが。)
高校卒業後の9月に、“開拓奉仕”をはじめました。
開拓奉仕とは:
一定の時間以上を奉仕(布教)にあてることを約束・申し込みをし、承認されるとつくことができる役職(?)。
当時は年間840時間。
目安で月間70時間を、布教活動に費やす。
教団のススメでは、高校を卒業したあとすぐに開拓奉仕を始めることが、
ひとつのステータス。
エリート信者への登竜門になっていました。
つまり、エホバキッズだったケンタ少年は、順調にエリートになっていくわけです。
【実体験】当時の1週間の予定はこんな感じ
月:【仕事】13~21時
火:【奉仕】7時~8時(駅前で突っ立つやつ)
【奉仕】9時~12時
【奉仕】14時~16時 帰ったら集会の予習
【集会】19時~21時
水:【奉仕】10時~12時
【仕事】14時~21時
木:【仕事】12時~21時
金:【奉仕】10時~12時
【仕事】14時~21時
土:【奉仕】10時~12時
【奉仕】16時~18時(駅前で突っ立つやつ)
【奉仕】19時~20時 帰ったら明日の集会の予習
日:【奉仕】10時~12時
【集会】16時~18時
仕事:約27時間/週 月間約110時間
奉仕:約17時間/週 月間約70時間
集会:約4~5時間/週 月間約20時間
1年半くらい、ずっとこんな人生でした。
“開拓奉仕”とパートの営業代行会社勤務で得たものなんてあるのか?
1年半で退職
社会人2年目の秋ごろ、営業代行会社を退職します。
業務内容、条件、信者の社長との関係などがどうしてもキツく、一般のアルバイトに応募しました。
わりと人生のどん底でした。
自分にも責任―教団のせいばかりではない気も
とはいえ、すこし恨みがましく書いていますが、正直ぜんぶ自分の責任です。
最終的に決めたのはほかでもない自分ですから。
信者の中にも、制約はあるなかでしっかり自分の考えを持ち、進路を選ばれる方もいらっしゃるでしょう。
自分の場合は、受験や就活という、“キツそう”なこと、努力のいりそうなことから、ただ逃げていただけです。
なにかと理由をつけて考えることを拒み、サボっていただけです。
まあ、あくまで教団に対して批判的な立場に徹し、恨み言を言うなら、
こんな思考停止人間になってしまうような教理を半強制的に受けさせられ続けたことや、
組織内の風土に対して、でしょうか。
もし高2くらいの自分に会えるのであれば、1発くらいぶん殴ってやりたいと思います。
「親父にもぶたれたことないのに!」
とか言い出したら、
「殴ってなぜ悪いか」と言い返し、
もう1発くらいお見舞いしてやります。
冗談はさておき、報いは完全に自分にはね返ってきました。
「新卒」という大切な大切なカードは、どぶに捨ててしまいました。
そして、正直、営業代行会社で得たスキルはほぼゼロです。
脳死でやる気も特になく、「心を無にしてインターホンを押せ」と指示されてイヤイヤやっていた仕事で、スキルが育つはずがありません。
でも、きちんと会社を選ばず、進路を吟味せず、入社を決めたのは自分。
誘導されたのは事実ですけれどもね。
世間知らずだったケンタくんが学んだこと
こうして、学歴・職歴ナシ。専門的スキルナシ。市場価値わずか。
わりと危機的な状況の大人ケンタが爆誕してしまいました。
スキルは正直得られませんでしたが、学びはありました。
仕事はしっかりと選ぶべきであり、真摯に取り組むべきであること
自分の適性を生かせる仕事と、必ずしもそうでない仕事があること
受験、就活、部活に全力で挑んでいた、同期たちのすごさ
信者どうしだからといって、関係がすべて上手くいくわけではないこと(教団組織について少しずつ疑問を持ちはじめる)
20歳が見えてきて、世界も少しずつ広がりを見せるのでした。
2,000字を超えたので、続きは次回。
また次のnoteでお会いしましょう。
それではまた。