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10年分のスケッチを振り返る

こんにちは、Kenta Shimbo(シンボケンタ)です!普段はゲーム業界でアーティスト/ディレクターをしています。

そしてゲーム制作の仕事とは別にライフワークとしてスケッチというものを10年ちょっと続けています。

素敵な光景に出会ったとき、記憶に留めておきたいものを見つけた時、スケッチブックを取り出します。画材や絵のスタイルは特に決めていません。ボールペン、筆ペン、カラーブラシ、iPad、などその時の気分で好きなものを使います。

ここ数年で実際に描いたスケッチはこんな感じです。

渋谷の交差点
カフェで見かけた人達
雨の日に放置された掃除道具
コインランドリーの待ち時間
直島の海辺

こういったスケッチは最近ではオブザベーショナルスケッチ、カフェスケッチ、アーバンスケッチ、などいろんな呼ばれ方をしています。

どの言葉で呼ぶのもアリですが、わかりやすくするために今回の記事では「その場で景色・物・人を見て描くこと」をスケッチと呼びます。

始めたきっかけはアメリカの大学に通っていた時に宿題としてスケッチが出されたことでした。当時はアニメーションやゲーム制作のための絵(コンセプトアート)を学ぶ学校にいて、周りはみんなスケッチをしていました。学生だけじゃなく、卒業生でプロになったアーティストたちもみんなです。

なぜならばその場で見て描くスケッチは学べることがすごく多いからです。教授もよく"Study from life"(実物・現実から学べ)と言っていたのを覚えています。

学校でスケッチについて知り、勉強という目的でスケッチを始めました。今では勉強以外の目的でスケッチすることも多いですし、人によって「なぜやるのか」は全然違っていいと思います。

ただどんな目的であれその場で見て描くって結構難しくないですか?

僕は最初は全然思うように描けなかったし、めちゃめちゃ苦労しました。そして一度大きく挫折もしました。笑 挫折後はきっかけがあり再開し、試行錯誤しながらなんとか続いています。

せっかく10年もやってるので、始めたころから今に至るまでのスケッチを当時の気持ちと学びを含めて振り返ってみたくてこの記事を書きます。

起承転結がある記事、明確なTIPSがある記事、というよりも記録としての意味合いが大きい記事です。苦労したけどしがみついて10年描いた人間のサンプルとして楽しんでもらえると嬉しいなと思います。

そういう趣旨なので1年目の全然描けてないスケッチも、途中でやめてしまったスケッチも、普段人に見せないようなものも含めて載せてみようと思います!

※書いてみたら想定以上に長い記事になりました。200枚以上のスケッチと21,000文字で振り返ります
※本にして販売したスケッチもたくさん入っているため、今回は有料記事になります
※10年分の振り返りと言っていますが、ちゃんと数えたら11年分ありました


スケッチを始める:2010年

ということでスケッチ生活1年目の始まりです。

リアルなスタート地点

最初に載せるスケッチは短大最後の1年間で絵の基礎授業2つを受け、その後4年制大学に編入した当時のものです。

なので絵を描き始めて2年目に突入したけどスケッチは初めてという状態。子供の頃から絵を描いていたタイプでもありません。

スケッチとは何かもわからないまま「とりあえず外に出て描いてみて」って感じでスケッチの課題が出されます。目的は"Study from life"(現実から学ぶ)ということらしい。写真や他の絵からではなく、現実を観察し描きながら学ぶ。

まさか最初期のスケッチを公開する日が来るとは思いもしなかったです、、、!それではどうぞ。

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