【講師のキャリアプラン】未来の姿を考えることはよいこと。でも目の前の受講者には持てる力のすべてを出してほしい。
研修テキストをつくるのは大変です。
しかし、いいテキストを作ろうという意欲を持たない講師は、テキスト作成力は決して向上しません。
昔サポートした某講師は当時30代。
アカデミック志向で将来は大学教授になりたいという希望がありました。しかし、それだけでは食べていけないので、うちの会社でも研修講師を行っています。
この彼がテキスト作成ができない。
ですので、私がいつも面倒を見ておりました。とはいっても私も彼専属マネジャーじゃないので、そろそろ親離れしてもらいたいとリピートオーダーがあった研修のテキスト修正を任せたのです。
事前に打合せして「ここはこう変えるといいですよ」とインスト方法とリンクさせたテキスト原案も提示しました。
ところが納期日に彼から送られてきた原稿データはほんのちょっぴり変わっただけで、ほとんど元のまま。
これには私もやや呆れました。つまり企業研修は彼にとって「一生の仕事」ではなかったのです。
「面倒見のいい研修会社が全てやってくれるから、それでいいや」
「自分は論文や学会の仕事をしておこう。研修講師なんて世を忍ぶ仮姿なんだから..」という彼の声が、原稿の行間から浮かび上がってきます。
残念ですけど....。
講師それぞれにキャリアプランがあるのは当然です。だからといって目の前にいる受講者への講義を軽んじてはいいわけはありません。持てる力の全てを出してほしいと思います。
そして、そういう講師と私は仕事をしたいな。