研修工房 杉本屋

私は大手研修団体で35年間にわたり、研修創りに携わってきました。 講師関係では採用・育成・登壇支援、研修関係では企画書・カリキュラムの立案、テキストや演習の作成などを数多く経験してきました。 これまでの経験を生かして、これから伸びようとする講師の方のお手伝いをしたいと思います。

研修工房 杉本屋

私は大手研修団体で35年間にわたり、研修創りに携わってきました。 講師関係では採用・育成・登壇支援、研修関係では企画書・カリキュラムの立案、テキストや演習の作成などを数多く経験してきました。 これまでの経験を生かして、これから伸びようとする講師の方のお手伝いをしたいと思います。

最近の記事

【板書のコツ】赤よりは黒です!

「板書には、黒のペンをつかってください」と、私は新人講師に口を酸っぱくして、指導しています。 「なぜですか? 青でも、黒でもいいじゃないですか?」 と質問してくる人もいます。 「じゃ、実験してみましょう」 自分の名前を白板(ホワイトボード)に赤のペン・黒のペン・青のペンをつかって書いてもらって、教室の一番後ろの席に座らせます。 「どうです、どの色がよく見えますか?」 「あっ、黒ですね」 「赤は見づらいでしょう?」 「はい、そうですね」 ようやく納得してくれます。   講義中

    • 【安藤忠雄さんの言葉】納得づくで物事を進めるためにはお互いの理解が不可欠だ

      新装版を再読しました。 そのなかでも改めて印象に残った部分が同潤会アパートの再開発です。  1996年に、同潤会青山アパートメントの再開発計画の依頼を受けた。地権者の調整だけで多大な労力を必要とする再開発は、一般的に新しい提案をするのが難しい。この計画も同様で、私が計画を担当することに対し、百五十人の地権者のうち百人が反対、十人が賛成。当初はそんな割合だった。何度か説得を試みても、反対者は粘り強く、意見は変わらない。既存のアパートに対する愛着が強い彼らは、建て替え自体を望ん

      • 【研修講師の営業】自分をわかりやすく紹介するパンフレットがありますか?

        先日、若手の中小企業診断士の人たちの会合に呼ばれました。 私はこういう機会はできるだけ、参加するようにしています。 「どうしたら研修講師になれますか」 「簡単ですよ『研修講師』または『インストラクター』と名刺に書けば、その日からあなたも講師ですよ」 「いや、そうじゃなくてぇ」 「少し真面目な話をすると、まず自分にはどんな強みがあるか、差別化できるかを考える。それを見込み顧客や研修エージェント会社にどう伝えるかですよ」 「はあ」 「私はもう100人以上の講師希望者と面談している

        • 【講師の参考書】企業研修の講師も『学校を元気にする50のルール』を読んでみてください

          『学校を元気にする50のルール』は小学校の先生向けに書かれた本です。しかし、ここに書かれている授業そして学級運営のコツは企業研修にも立派に通用すると思います。 ■事例 K先生の話は、いつも生徒の心をひきつけてやみません。400人の学年集会でも、水を打ったように静か。たとえ直前までざわついていても、K先生が話し始めて5分、10分と経つにしたがい、まるで別世界に。生徒はみな、先生の話にじっと耳をかたむけていくのです。  生徒たちを魅了するK先生の話には、どんな秘密が隠されている

          言葉は倹約しないこと

          淀川長治さんの『日々快楽』にあった「言葉は倹約しないこと」がいい言葉だったので、ノートに書いてありました。  ありがとう  素敵です  ごちそうさまでした  楽しかったです  いいですね ポジティブなことばを言おうとしてもついつい、恥ずかしさから呑みこんでしまう。でも、そんな倹約はしなくてもいいんです。 どんどん、素敵な言葉を投げかけましょう。 これは研修のなかでも同じだと思います。 受講者の何気ない言葉や行動を褒める、称賛する。 休憩時間でも受講者とフランクに会話する。

          言葉は倹約しないこと

          耳慣れない外国語のマネジメント用語は極力使わないこと。

          わからない言葉にこそ大衆は魅かれる 六〇年代は「スチューデント・パワー」の時代と呼ばれ、世界中の学生が反乱をおこした。毛沢東は、彼等の神でもあり、紅衛兵は、彼等の模範でもあった。「造反有理」は世界中によく売れたスローガンであったが、アメリカやヨーロッパでは、どう翻訳したのだろうか。  しかし、宣伝論的にいうなら、わかりにくい耳慣れしない言葉は、かえって利用価値が高い、という暴力的側面がある。宣伝には「大衆」がつきものだが、それ故にこそ可能だともいえる。大衆は暴力に弱いからで

          耳慣れない外国語のマネジメント用語は極力使わないこと。

          テキストの誤字があるかどうか、講師も確認する責任があります

          先週、新人講師が初登壇しました。 「私がしっかりとサポートするから」と営業担当に言って、登壇機会を得たものです。 新人ですからテキストも上手に作れない。 「パワポのツーアップじゃだめですか?」 「だめだめ、学習の再現性がないよね」 かなり厳しくいいましたが、その講師はつくれない。 では私が作ろうということで、結構な時間をかけてつくりあげました。 そして、原稿が完成し「最終確認してくださいね」とその講師にメールを入れて目を通してもらい、その後に印刷にかけました。 で、研修は

          テキストの誤字があるかどうか、講師も確認する責任があります

          誰が聞いても当たり前のことからスタートすることの大切さ

          古い本からの紹介でごめんなさい。 ワールドシリーズを見ていたら、選手の出身国がアメリカ合衆国だけではなく、プエルトリコ、パナマ、メキシコなど多岐にわたることに気づきました。こうした国からアメリカにやってきて、マイナーから育てられメジャーでプレイするようになる。 田舎育ちの野球少年を球団はどのように育てるのでしょうか。 それが気になっていたところ、本棚に面白い本がありました。 タック山本氏の『プロは反省するな』です。  タック山本氏はエンジェルスなど3つのメジャー球団でチーム

          誰が聞いても当たり前のことからスタートすることの大切さ

          周りからの手助けを得ずに、独力で偉大な成果を上げられる時代は、足早に過ぎ去ろうとしている

           周りからの手助けを得ずに、独力で偉大な成果を上げられる時代は、足早に過ぎ去ろうとしている。  いまや一人ひとりが自分に最もふさわしい役目を担い、自分の持ち味を最大限に発揮すると同時に、独創性や自主性を失わずに他の人々と歩調を合わせ、かつ上からの管理にも従う--そんな時代が幕を開けようとしている。 誰の言葉だと思いますか? 1911年 ティラーが『科学的管理法』で書いた言葉です。 1911年といえば、明治44年。 100年前に書かれた言葉ですが、いまでも十分通用しますね。

          周りからの手助けを得ずに、独力で偉大な成果を上げられる時代は、足早に過ぎ去ろうとしている

          才能なんて、本人には判っていない。見つけてくれる編集者がいなけりや、輝きようがないんだ。

          本棚から古い本を引っ張り出しました。 『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』(武居俊樹著 文藝春秋)です。 武居記者は赤塚不二夫の担当編集者でした。 この本の中で赤塚不二夫が編集者について、刺激的なことを言っています。 オレは、この三人、丸さん、壁ちゃん、樺ちゃんを、一生忘れない。新人時代、文字通り心血を注いでオレを育ててくれた、魂の編集者達だ。新人漫画家なんて、編集者次第で、生きも死にもする。才能なんて、本人には判っていない。見つけてくれる編集者がいなけりや、輝きようがな

          才能なんて、本人には判っていない。見つけてくれる編集者がいなけりや、輝きようがないんだ。

          リハーサルで泣いて、本番で笑いましょう

          おはようございます。 月曜日です。 新しいことに向かって積極的にチャレンジしましょう! 今日は、事前リハーサルのことをお話します。 若手講師Cさんの登壇前リハーサル。翌月のデビュー戦に備えて、本番のレクチャープランに基づき、1日びっちり講義をしてもらいました。会場は会社の会議室です。 本人は「レクチャープランも詳細に書いたので、たぶん大丈夫だろう」と楽観して、講義を始めました。しかし、冒頭のオリエンテーションのところからつっかえる。なかなかうまく滑り出さない。。 研修の

          リハーサルで泣いて、本番で笑いましょう

          グループ(班)学習のルーツについて

          原武史さんの『団地の時代』を読んでいたら、「班」を単位とする教育方法について、興味深い記述がありました。 私もこのマカレンコの考え方が正しいと考えます。 ややとらえ方が異なることをお許しいただいたうえで言うと、財務とか法律とか、内容が難しい研修では、個人指名してもなかなか答えられない。「間違ったらどうしよう」という心理が働くので、「わかりません」というか黙り込むかです。「誤った答えを出したヤツ」と特定されるのが怖いのです。では、それをどうやって救済するか。それが「班」での回

          グループ(班)学習のルーツについて

          根性があるな!

          30代で大手会社の秘書室を辞めて独立したD講師は伸び悩んでいました。 新入社員研修や中堅社員研修のトレーニングを受けていたのですが、なかなかチャンスがこない。そんな時、私が彼女に声をかけたのがある公益法人の2日間の中堅職員研修。 「いいんですか、私はマスタートレーナーからは正式なOKはもらってないんですよ」 「だいじょうぶですよ、実戦こそ最大のトレーニングなんだから」といけないことを囁く私。 それから3週間、テキストの準備とリハを重ねて研修当日を迎えました。 しかし、現場

          チャンスの神様は前髪しかないないのです

          私も契約間もない講師を大手クライアントにすぐにぶつけるようなことはしません。 慎重に仕事を選び、どうやってもクレームがこないような「難易度が低い」研修をデビュー戦に選んでいました。 そんな時に待ちに待ったデビュー案件がきました。 新人さんのB講師に早速打診したところ、「うーん、私の専門分野とは少し違います。自信がないので今回は見送らせてください」という返事。 「そうですか、ご無理にはお願いできないですね。では次の案件でよろしくお願いいたします」と依頼を取り下げました。 し

          チャンスの神様は前髪しかないないのです

          新人講師には営業力・企画力が必要です

          私の会社にも、多くの契約講師の方々がいました。 30代から60代まで多士済々で、中小企業診断士・社会保険労務士・税理士・産業カウンセラーという資格取得者から、民間企業の社内インストラクター・マネジャー経験者などバックグランドもいろいろです。 そして実力の世界ですから、稼働日数もバラバラです。 ベテランで実力がある講師は毎日のように全国を飛び回っていますし、契約間もない講師のスケジュール表はガラガラです。 まあ、クライアントや当社の営業担当者にまだまだ知名度がないから、ガラ

          新人講師には営業力・企画力が必要です

          自己紹介 | はじめてのnote

          はじめまして 研修工房-杉本屋です。 お読みになっていただき、ありがとうございました。 note は知っていて、いろいろな方のnoteを読ませていただきました。 35年勤務した研修団体を定年退職してフリーとなり、時間がたっぷりできました。 そこで、これまでの経験や体験を棚卸しながら、私が人材育成・社員研修・講師採用と育成・研修企画などで行ってきたこと、これから行いたいことをnoteで書いてみることにしました。 研修講師の方、研修会社の若手の方、クライアントの方などに少しでも

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