人はなぜ戦争をするのか-⑦²

ライオンの個体種欲動は、人間も自然動物の仲間としての同じ欲動であるが、シマウマの、としては質の異なる欲動である。いや、と言うより
ライオンやシマウマの自然動物には、死の恐怖が一種類しかないが、人間には二種類の死の恐怖が備わっているようです。
1つは、他の動物と同じ個体種欲動の持つ死の恐怖、もう一つは人間だけにしか持ち合わせのない、動物には全くない、それから疎外進化によって獲得したもの、すなわち種の一段階進化した類個体欲動の持つ類の欲動といえるものです。
前記でフロイドが言ったように人間の内面にだけあるもの、、またマルクスの言う「人間は類的存在である、、」の「類」と同じものといえるでしょう。
 ところでフロイドの言う「利己的(悪しき)欲動を、エロス的成分の混入や文化教育によって社会的欲望に変貌させたにしても、あるいはマルクスの「類」(的存在)を発達させたにしても、人間の悪しき欲動である類個欲動が改善され、対立、争いが減るわけではない。むしろ逆に激しく、強く破壊拡大へと向かうようである。


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