離-イ-に】大名狂言『鬼瓦』ノ四
和ろうてござるか〜
わたくしは十七年前から一緒に暮らす“女ども”がござるが
離れても数日の出張くらいのことでござる
決して誤解をしてほしゅうはござらぬが
“女ども”とは申せども、妻一人でござる
狂言では(一人でも)子どもと同様
女ども、男ども、兄どもなどと申すは身内を遜っているのでござる
このブログでは狂言好きのわたくしけんすけ福のかみが
もっとも狂言らしい登場人物“太郎冠者”の名を借りて
皆さまを狂言の世界へご案内するつもりで描いてござる。
なにとぞ和らいだお心もちにて読うでくださりませ〜
さて薬師如来と共に御堂を地元へ建立したい大名は
後堂(うしろどう)も観にまいりまする
「さてこの御堂は、古(いにしえ)飛騨の匠が建てたとやら云うが
どれから観ても、成り格好の良い御堂じゃな!」
後堂に周った大名は少しずつ見上げつつ
「虹梁(こうりょう)、蟇股(かえるまた)、破風(はふ)
「ヤイ、太郎冠者」
「ハァ」
「破風のうえになにやら、真っ黒いモノが見ゆるが、あれはなんじゃ?」
「どれどれ?はあは、あれは、鬼瓦でござる」
ようようタイトルの鬼瓦が登場でござる
大名はその鬼瓦を視て、
誰かに似ている、
誰だったかと思案…
したかと思うと
突然
ぉ、ぉ、おーそれそれ
ぇへ、えへ、へーえ、へぇへぇへぇへぇ
両手を前に出し
身体を上下に揺らすのは
泣いているのでござる
なにが悲しゅうて大名は
泣き出したのでござろう
そのわけは次回にいたしましょう
またお目に掛かれましたら嬉しゅうござる🤗
この狂言noteはけんすけ福のかみが大蔵流 茂山千五郎家の狂言を中心に学んだことや思うことを描いてござる
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