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知-ハ】大名狂言の遣う家人はせいぜい一人か二人でござる

和ろうてござるか〜
見出し画像の【大名の出立】はことのほか心地よいものでござる
上下に続きの大きな柄、これは素襖と申す装束でござって
今でいえばさながらタキシードといったところだそうでござる
これに洞烏帽子という被り物でいかにも「大名でござる」

このブログでは狂言好きのわたくしけんすけ福のかみが、もっとも狂言らしい登場人物“太郎冠者”の名を借りて皆さまを狂言の世界へご案内するつもりで描いてござる。なにとぞ和らいだお心もちにて読うでくださりませ〜

狂言の名寄で脇狂言の次は
大名狂言でござる

大名と申せば、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康などを引くに及ばず
戦国の武将を思い起こさずにはいられませぬが
狂言に登場する大名と申すは、いささか庶民寄りでござる

室町時代、一定の田畑を所領するようになった大名田主をちぢめて〈大名〉と申すまでのことでござる

狂言にいずる大名には太郎冠者だけか、せいぜい次郎冠者ほどしか召し抱えていないようで
新たな者を召し抱えるとしても結局一人がせいぜい(『蚊相撲』『鼻取相撲』など)で
その新参者に対して、大勢召し抱えているような振りをするような
見栄を張るが関の山でござる

大名狂言と小名狂言

名寄では大名狂言と小名狂言と大きく分類してござるが
この二つはほぼ同じような登場人物ながら、明らかな違いによって
分けられているのでござる

しかるに大名狂言では主人(大名)がシテ、すなわち主役となり
小名狂言では主人はアド、すなわち太郎冠者がシテでその相手役となっているのでござる

太郎冠者と申しまするは、以前にも申した通り固有の名前ではのうて
使用人Aといった役名でごはござるが、この小名狂言にてはいずれも重要な役回りでござる

さいぜんも申しましたが太郎冠者のほかに次郎冠者が出るものもあり
その次郎冠者がシテとなる狂言もござる(『棒縛』)

大名狂言での相手役(アド)は必ずしも太郎冠者ではござらぬが、太郎冠者風の立ち回り様であることに相違はないのでござる

いずれも狂言会では人気の曲が多く、とりわけ太郎冠者が知恵(悪知恵?)をはたらかせて主人からの用命をはぐらかし、さからい、言い訳する様子は
いまの世にも身近に感じられるところが多いように感じまする

こんにったこの辺りにいたしましょう
またお目に掛かれましたら嬉しゅうござる🤗


この狂言noteはけんすけ福のかみが
大蔵流 茂山千五郎家の狂言を中心に学んだことや思うことを描いてござる

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