呂-ロ】狂言に再会するまでずいぶんと時を要しましてござる
和ろうてござるか
小学校六年生の国語教科書で出逢い
そのあとたびたび能舞台へと
連れて行ってもろうてはござれども
中学生になるや少しずつ
その興味はほか方へ移り
すっかり忘れていたようでござる
移り気なわたくしは毎年のように学校での舞台劇に出演するも
狂言のことを思い出すことなく
いちどはニアミスもござれども
結局そのままうん十年もの時がすぎたのでござる
ニアミスと申しまするは
中二の時『夕鶴』という劇で与ひょうという役をしたおり
南座でプロの舞台を観てござるがこのときの与ひょう役が
二代茂山千之丞師であったらしいとか…
国語が好きだったはずのわたくしは、理科系科目が得意だったこともあり
大学は理学部へ進み、就職は食品会社の開発職から食品、化学品の開発へ
そこからさらに乳酸菌の研究開発職に転職しましてござる
この職場の上司と申しまするか代表は、さる大学の元学長でござって
とある役職に就いておられたことから京都府主催のイベントへの招待が多くござった
入社二ヶ月後のある日そんなイベントの一つ
狂言三笑会という狂言会に代理で行きませんか?と訊かれたのでござる
狂言という言葉に、頭の中はたちまち小六にまき戻り
すぐに行くことを決めたのでござる
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