離-ロ-に】狂言『附子』桶の中が気になる二人でござる
和ろうてござるか〜
主人が出掛けてしまえば
すっかりリラックスモードの太郎冠者と次郎冠者
「かようにお留守をするほど
楽なことはないぞな!」
ところが、急に何やら太郎が辺りを怪しむ素振り
するとやにわに床を叩いて立ち上がり
このブログでは狂言好きのわたくしけんすけ福のかみが、もっとも狂言らしい登場人物“太郎冠者”の名を借りて皆さまを狂言の世界へご案内するつもりで描いてござる。なにとぞ和らいだお心もちにて読うでくださりませ〜
「チャっとのけ、チャっとのけ‼︎」
太郎が橋掛かりに、次郎もついてまいりまする
附子から吹いてきた風にビビる二人
少し離れて座るも、また風に吹かれて
橋掛かりに逃げ込む二人
これまでビビっていた冠者たち
ここで太郎が急に、附子を見てみたいと
止める次郎に
「向こうから吹く風を
こちらから扇ぎかやいて{返して}その間に
ちと見ょうは、何とじゃ」
すなわち
向こうから吹く風に当たれば滅却するなら
こちらから風を送れば大丈夫と
云う理屈でござる
まずは桶に掛かった紐を解くと申す太郎冠者
「扇げ、扇げ」
後ろから応援する次郎冠者
「扇ぐぞ、扇ぐぞ」
太郎が紐を解き
次郎が蓋を取ると
いよいよ中を見るべく
いっそう精を出して扇ぎ…
恐る恐る覗きこんだ太郎、再び
「チャっとのけ!チャっとのけ!」
その感想は
何やら黒うドンミリとして…美味そうなものじゃ
はたして黒う、ドンミリとはいかなる意味でござろうか
ようは判りませぬが〜ドロっと黒光りした液体ではないかと
その黒蜜のような照りのある様子を見て
「みどもはあの附子がチト食いとうなった」
「行て、食てこう」
食べに行こうとするたrを止める次郎
制止を振り切り附子に向かう太郎は
突然謡い出しまする
「名残りの袖を、振り切りて〜ぇ
附子のそばにぞ〜寄りにけ〜る」
いよいよ生の附子に対面し
扇を箸の如く🥢桶に差し回し、口へ
あ〜む、あむ、あむあむあむ……
あっ、あ〜あ〜〜たまらんたまらん
と額を抑える太郎冠者の元へ
次郎が慌ててやって来てござる
さて太郎はどうなるか、はまた明日のお話といたしましょう
またお目に掛かれましたら嬉しゅうござる🤗
この狂言noteはけんすけ福のかみが
大蔵流 茂山千五郎家の狂言を中心に学んだことや思うことを描いてござ