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牛耳(ぎゅうじ)を執る

主導権をとって、同盟や団体の行動を導くこと。

原文と、現在使われている用法とが、変わってしまっているという例である。

この故事は、晋という大国に、衛という小国の人が、「牛耳を執らせてもらいたい」と依頼したという史実によっている。つまり、盟約の盟主に推されているのは晋であるが、衛がこの盟約を結ぶ儀式のときに、牛の耳をさき、同盟諸侯にその血を捧げる・・・という役割をしたいと申し出たことを、記したのであった。

しかし、この時の晋の返事は、「衛は、晋国内の諸侯の一つである温や原と同じくらいの小国であって、その役はふさわしくない」と断っているのである。

現在は、実力のある人物や、同志の団体のなかで主役になれる自信のある企業が、自分でイニシアティブをとって、その同志を引っ張っていくときに使っている。

したがって、実力のない側が、「牛耳を執る」ことはないのである。

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