窮すれば濫す
人格者や、出来た人間も、困難に遭遇することがあるがそのようなときも正当な行動ができるところが違う。
「窮すれば鈍する」とか「貧すれば鈍す」というように、小人や、未熟者は、失敗したり、貧乏になったりしたときに、力を出すことができず、
慌てて混乱したり、さらに失敗を大きくするようなことを起こしやすい。
孔子の一行が、楚の国へ赴く途中、誤解を受けて、陳という国の軍隊に包囲されたことがあった。
食料にもことかいて、困窮の状態になったとき、弟子の子路が、
「君子と言われるような人格者も、困窮の状態に追い込まれることがあるのですか」と尋ねた。
孔子は、困難な状態はどのような人物にも起こるのであって、不条理であるとか、思慮の不足から起こるのではない。
しかし、仮に、窮したときの身の処置の仕方によって、そこに人格としての差が出てくるのだと諭したのであった。