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禅僧がゆくーチベット僧院留学記ー

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チベット仏教ゲルク派本山デプン・ゴマン学堂への留学で学んだことや体験したことを書いています。
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記事一覧

横浜善光寺季刊誌『成寿』に留学記を掲載していただきました。

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インドからの帰国劇ー日本上陸編(成田空港)ー

インドからの帰国者を乗せた飛行機は、5月15日2:45(インド時間)にベンガルールを出発し、5月15日14:30頃(日本時間)成田空港に着陸した。着陸してから20分ほど待った後、飛行機から降りることができた。 成田空港到着後の諸々の手続き飛行機を降りてからは、インドで受けたPCR検査の陰性証明書や誓約書の提出、抗原検査、位置情報確認アプリや接触確認アプリのインストール等の手続きがある。それら各々の手続きに対して一つ一つ部屋が用意されており、帰国者は各部屋を回って漏れなく手続

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インドからの帰国劇 ーインド国内編ー

日本でも連日報道されている通り、コロナの影響でインドはかなり危機的な状況にある。都市部では感染者の増加に歯止めがかからず、医療体制は崩壊しかけている。 そんな中、5月初めに外務省から一時帰国を検討するようメールが届いた。同時に各方面からも心配の声が届いた。昨年も同じように大学から帰国を検討するようメールが届いたが、留学を終えるまで1年以上あったのでインドに残る選択をした。しかし、今回は状況が状況だし、もともと留学を終える予定が7月だったこともあって、1ヶ月早めに留学を切り上

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明けましておめでとうございます!

ལོ་གསར་ལ་བཀྲ་ཤིས་བདེ་ལེགས་ཞུ། 明けましておめでとうございます。 本日2月12日、チベット暦2148年の正月を迎えた。今年も日本の正月に帰国しなかったのでやっと正月気分を味わえている。 今回も年末には同郷の人たちや兄弟弟子、同寮の者が集まり、朝から大量のモモを作って会食が開かれた。

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インドで警察に捕まった話

一年くらい前、郵便局へ行った帰りにいつも通りキリシャに乗って家に帰ろうとしていたところ、警察に止められた。パスポートやビザ、PAP(制限区域許可証)、外国人登録証の提示を要求された。生憎外国人登録証を持ち歩いていなかったため、交番に連れて行かれることになった。

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ゲルク派試験受験者の学習風景ーラプラプー

先日、ゴマン学堂の御堂のある建物に行き、ゲルク派試験受験者が学習しているところを見学してきた。 ゲルク派試験を受験する前提として、本山セラ大僧院、デプン大僧院、ガンデン大僧院では15年以上にもわたる仏教学習のカリキュラムが組まれている。その間、僧侶は論理学・般若学・中観学・倶舎学・戒律学を学ぶ。進級するには年度末試験に合格しなければならない。 各僧院のカリキュラムを全て終えると、次はゲルク派試験に進む。ゲルク派試験はセラ大僧院、デプン大僧院、ガンデン大僧院によって共同運営

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戻りつつある日常

3月末にインド全土でロックダウンが開始されて以来、8ヶ月ぶりに生活用品店の正面出入り口が開いた。ロックダウンが開始された当初は店の営業が厳しく取り締まられていた。しかし、生活用品店だけは開いていないと困る。そのため店は裏口を開け、営業時間を制限して粛々と営業していた。それがやっと堂々と正面出入り口のシャッターを上げることができた。 食堂や喫茶店、本屋、携帯電話店も営業を再開した。

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夏安居が明けて長期休暇へ

インドの夏は雨が多く、草木が生い茂り、虫たちが活発に活動する。そんな時期に外を歩けば虫たちを踏み潰してしまうかもしれない。僧侶は動物の無用な殺生を避けなければならない。それで釈尊の時代から、夏の雨が多く降る時期は僧侶が一箇所に止まって修行をする期間が設けられている。この期間は夏安居(げあんご)と呼ばれる。夏安居は、内容の差異が多少見られるにしても、地域や宗派を問わず世界中の仏教寺院で行われている。 夏安居は一般的に90日間ある。しかし、チベットは標高が高く、夏が短い。インド

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コロナ禍中の僧院生活

インド全土でロックダウンが開始されてから3ヶ月が経ちます。ロックダウンの効果はあったのかどうかわかりませんが、インドの感染者数はずいぶん前に中国を抜きアジア1位になっています。それでもまだ感染者は1日に2万人近く増えいるようです。 私が今住んでいるカルナータカ州でも先週から感染者が急増しているようです。カルナータカ州は比較的感染者が少なかったのですがついにという感じです。お寺ではまだ感染者は報告されていませんが、1番近くの街Camp3では感染者が増えているようです。お寺でも

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インドでロックダウンが実施されてから2週間が経過。なんとか元気に生きています。

インド全土でロックダウンが実施されてから2週間ほどが経った。まず驚いたのはロックダウン実施の発表が3月24日の夜で、実施開始が数時間後の25日0時からという驚異的な早さだ。日本ではまずあり得ないだろう。もちろんインドでも混乱はあっただろうが、政府や警察には逆らえないのでみんな従うしかないという状況だった。 私が留学しているデプン大僧院でも3月25日から法要などの集会は全てなくなり、食堂もお店もカフェも全て閉鎖されている。ただお寺の食事配給だけは停止していないのでみんな食には

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チベット暦の正月を迎えました!

ロサルタシデレ! 2020年2月24日にチベット暦2147年の正月を迎えました。 年末には同郷の僧侶が集まって会食をしました。会食ではチベットの麺料理テントゥク(འཐེན་ཐུག་)やリタンの遊牧民の料理サクゴル(སྲེག་སྒོར་)をいただきました。 写真はテントゥクとサクゴルを作っている様子です。

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チベット僧侶の休日の過ごし方

お寺に休日はあるのと思うかもしれないが、こちらデプン寺では月曜日が休日となっている。なぜ月曜日かというと、近くにムンドゴッド(Mundgod)という街があって、そこでは月曜日にバザールが開かれるからだそうだ。下の写真がムンドゴッドの街の様子。

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チベット僧院の食事 ー食堂編ー

私がチベット僧院へ留学すると言った時、よく聞かれた質問が食事についてだった。 「チベット料理が出るんですか?」「チベット料理ってどんなものがあるんですか?」「お寺なので肉は食べられないんですか?」と。また、チベット僧院とはいってもインドにある。なので「カレーをよく食べるんですか?」とも聞かれた。 ということで、今回はチベット僧院(デプン寺)の食堂で食べられる料理をいくつか紹介したい。 まずは食堂の様子。 【デプン・ゴマン学堂の食堂】 【デプン・ロセルリン学堂の食堂】

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ダライ・ラマ法王のイベントに参加した話

いつになくお寺の周りはお祭りのような雰囲気だった。 それもそのはずで、ダライ・ラマ法王猊下がこちらのお寺にいらっしゃっているからだ。法王がひとたび移動なさろうとすると、一目見ようと道は人でいっぱいになる。 今回は12月14日から22日にかけてデプン寺とガンデン寺で様々なイベントが催された。 まずデプン・ゴマン学堂の新しいチュラ(問答場)の落慶式から始まった。

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