腰痛の原因を腹筋にしたくなるが他の原因は?
こんにちは、けんしん です。
今回のテーマは『腰痛』
目の前の患者さんが
「腰を反ると痛くて…」
と助けを求めてます。
さて、何しましょう?
…
「腹筋を鍛えて腰椎前弯しすぎないようにする」
と答えた人は
大した結果を出せません。
僕も同じでした。
腰痛の原因を腹筋にしたくなるのは
仕方ないと思います。
なぜなら
腰痛はこう治せ!
みたいな授業はなかったし
書籍や文献では
ごちゃごちゃ書いてあって
結局なにすれば良いか分からないから。
3ページくらいの本なら
挫折しなかったと思うけど
そんな本は存在しない。
調べては挫折、また調べて、
それを繰り返して
最近は解剖学と治療が
つながってきました。
臨床でも手ごたえを感じ始めました。
挫折しないように読めて
明日から使えるように書いていきます。
本と違ってブログなら
解剖→治療まで
必要性最小限の内容を書けるので
まずは
悪癖(あくへき)を取り除く
なぜ痛いか?
と聞かれたら…
腹筋が弱い⇒腰を反り過ぎる⇒腰痛
この方程式が頭に染みついてると
「腹筋を鍛えましょう」
の発想になります。
これの何がイケナイかって
すでに腹筋が強い場合…
打つ手なし
だし
運動中は痛くなくても
立ち上がると痛くなるなら
改善なし
になってしまう所。
腰痛の種類は色々あるけれど
腰を反った時に痛くなる原因は
『椎間関節性』の可能性が高いので
今回はそこを中心に話します。
・腰椎 椎間関節性疼痛の特徴
腰椎の伸展時痛
痛い場所を指で指す
好発部位はL4L5、L5S1、L3L4の順
・評価
たとえばL4とL5の間の
椎間関節に問題があるなら
そこの動きを止めれば痛くないはず。
下のイラストのように
ヤコビー線のところに
L4の棘突起が触れます。
そして
L4を止めて体幹伸展してもらう
これで痛みが減ったり
なくなったら
そこの椎間関節が問題だと分かります。
椎間関節の痛みの原因は
①衝突
②挟み込み
この2つが分かれば
アプローチ方法も明確に。
①衝突
腰椎を過度に伸展させると
椎間関節が衝突して痛みます。
「だから腰椎前弯しないように
腹筋きたえれば良いんじゃないの?」
と感じますが
それだと即効性がなくて
「本当に治るの?」って疑問が
相手にも自分にも残ります。
だけど
次の2つの概念(がいねん)を知っておけば
かなり腰痛が明確になります。
・拮抗筋(きっこうきん)
・トレードオフ
1つずつ見ていきましょう。
・拮抗筋
体幹を屈曲させる主動作筋は腹筋ですが
その拮抗筋は…背筋
特に多裂筋がカタイ(攣縮など)と
腰椎が過度に前弯してしまいます。
屈曲したくても屈曲できないのです。
そこでPLFテスト
側臥位、股関節45°屈曲が開始肢位。
上側の股関節を屈曲させるように
大腿が腹部につくように動かしたとき
腰椎が後弯するかチェックする。
問題が見つかったら
多裂筋の運動療法
筋肉は収縮と弛緩を繰り返すと
過度な緊張がおさまります。
多裂筋を意識して
収縮させるのは難しいので
上のイラストのように
骨盤を下に引いて
多裂筋を伸ばした後に収縮を促します。
筋肉は伸ばされると
収縮しやすいですからね。
トレードオフ
何かを得たら何かを失う
両立できない関係性のこと
たとえば、
勉強する時間と遊ぶ時間。
勉強すればするほど
遊ぶ時間が減ってしまいますよね。
バランスが大事だと思います。
このブログでは
勉強に時間をかけすぎないで
知識が身につくように
書いていこうと思います。
人のカラダでも
トレードオフの関係があって
片方が動かないと
もう一方は動きすぎる。
動きすぎる関節の
隣の関節はカタイ
と覚えておくと便利。
たとえば
股関節が伸展しないと(動かないと)
腰椎は過度に前弯(動きすぎ)
してしまうわけです。
この場合、
股関節が伸展(柔らかく)すれば
腰椎前弯が減る(程よく動く)。
よって、
やるべきことは
股関節伸展の可動域exなんですね。
腸腰筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋、長内転筋
の緊張が高かったり短縮していたり
滑走が悪ければ
股関節伸展しないので
これらの筋に問題あれば
アプローチする必要がある。
トレードオフを知っていれば
腰椎前弯=腹筋弱い
だけじゃないってことが分かります。
ここで差がつく
つまり
腰を反ると椎間関節が衝突してしまうから
痛いんだけど
腹筋が弱いだけじゃなくて
トレードオフの関係にある場所がカタイと
腰椎が前弯しすぎて痛くなってしまう。
腰椎前弯してしまう
もう1つのトレードオフ関係で
腰椎と胸椎
胸椎が後弯し過ぎてると
腰椎が過度に前弯しやすいです。
ここまでのまとめ
拮抗筋である多裂筋はカタくないか?
トレードオフ関係の関節はカタくないか?
を評価して
カタければ柔軟にする。
椎間関節の痛みの原因は
①衝突
②挟み込み
でしたね。
では
②挟み込み
の話をします。
インピンジメントです。
多裂筋は関節包にもついていて
多裂筋がしっかり働くから
関節包が挟み込ませません。
逆に多裂筋が機能してないと
関節包が挟み込まれて
痛いわけです。
よって多裂筋exが推奨されます。
ここまで読んでくれたあなたは
腰痛アプローチが
腹筋1択にならないと思います。
拮抗筋やトレードオフの関係で
椎間関節が衝突してないか?
多裂筋の機能不全によって
関節包が挟み込まれてないか?
疑うようになってるでしょう。
そこが問題解決したら
腹筋exや痛くなる動作を修正して
腰痛の再発予防もしていくと
良いんじゃないでしょうか。
最後まで読んでくれて
ありがとうございました。