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フィンランドのデジタルユースワーク専門家集団「Verke」って?

Moi(こんにちは)!けんせいです。

マガジン:デジタルユースワーク実践レポート With フィンランド」の第2回は、EUのデジタルユースワークといえばぜーーったいに外せない、フィンランドの専門家集団「Verke(ヴェルケ)」をご紹介します。

若者支援×デジタルの可能性はいかに。

(ユースワークについては第1回をご覧ください)


フィンランド現地視察いってきました

2019年11月に内閣府事業で、morizooYamamto_Akkun、全国の仲間たちとフィンランドまで飛行機でビューンと約10時間でいってきました。

(また、他の視察先については個人noteに後日。ぜひフォローを!)

仲間たちとサウナでパシャリ。スーツで(笑)

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ほんと、自宅はもちろん、大使館からユースセンターまで、どこにでもサウナがあります。

そして、4日目、いざVerkeへ。


デジタルユースワーク専門技術センター「Verke」とは?

Verke職員のJarnoさん、PasiさんからフィンランドといえばのチョコFAZERや伝統的なお菓子をふるまってもらいながら、リラックスした雰囲気で説明してもらいました。

自己紹介では、「Jarno(ヤルノ)がやるの!!」という日本語を交えたおもてなしギャクではじまり(笑)

Verkeのことやデジタルユースワークの考えを教えてくれました。

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Verkeとは、2010年8月に教育文化省が指定し、3人のユースワーカーからはじまった、国立のデジタルユースワーク専門技術センター。スタッフは8人(2019年11月)の組織です。

ビジョンは、若者と活動するすべての人々(ユースワーカー)にデジタルメディアとテクノロジーを活用する機会を提供すること

デジタルユースワークを通じて、若者の福祉、包括、平等を推進することを目指しています。

若者をダイレクトには支援するのではなく、若者を支援しているユースワーカーを支援します


Verkeの活動

Verkeの活動内容は「トレーニング / リサーチ / ネットワーク / 教材の提供 / 活動の発信 / コンサルタント」と多岐に渡り、フィンランド全土のユースセンターと連携して活動を行っています。

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ホビーホースのハックからチャットボット開発まで

具体的な活動もいくつか紹介します。

フィンランドの若者の間で流行っている「ホビーホース」とよばれる玩具の馬をご存知でしょうか?写真でmorizooが真剣な顔で持っているものです(笑)

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これにセンサーやLEDをつけることで、揺らすとピカピカ光かる棒馬をつくるワークショップを行っています。


ほかには、mBotをつかったロボットプログラミング教室の開催や、

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ボランティアの人では対応できない部分を補ったり、スピードアップするためのチャットボット開発もしています。

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ユースワーカーのデジタル対応の重要性

Verkeでは調査もひとつの仕事です。例えばこんなユースワーカーに関する調査結果が。

ユースワーカーにスマホを支給している率は、2013年19%から2019年には98%へと急増したそうです。いわれてみればそれも当然。理由はシンプルで、若者がみんなスマートフォンを使うからです。

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また、ユースワーカーが若者とのやりとりで、対面とデジタルで同じ効果がえられるかに対しては、19%から49%に2年で上昇。

その他にも、若者とSNSやメッセージアプリで91%つながっているというデータもでており、ユースワーカーのデジタルメディアとテクノロジー活用は不可欠ということがわかります。

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そのため、Verkeでは、SNSで情報発信もたくさんしています。

さらに、ユースワーカーに対してSNSが活用できる直接的な支援や、ユースワーカー同士がお互いに学びあえる合宿SOMECAMPを企画して支援しています。


資金はどうしてるの?

教育文科省から資金提供を受けており、ヘルシンキ市とも連携しています。そのため、すべて無料でサービスを受けることができます。

う、うらやましい。

スタッフが8人しかいないので、外部のデジタル分野の専門家と連携。NGOや政府関係の機関などの団体、国際的な協力関係団体やEU(オーストリア、イングランドなど)と協力しています。


デジタルゲームをしない若者はいない

Jarnoはこう言いました。

フィンランドではデジタルゲームをしない若者はいないと言っても過言ではない。

若者はゲームが好きなので、ゲームができる場所をつくることは大事。2年に1回大学と連携して、3000人とLAN party(みんなでゲームをするイベント)を企画しています。

一見、ゲームイベントは楽しいだけだと思いきや、隣に大人がいるだけで、キャリアについて喋ったり、ゲームに対する情熱もぶつけることもできます。


でも、日本では教育上、ゲームを悪者にされることもよくあります。それを伝えたところ、

金づちは、家をつくることにも使えるし、壊すことにも使える。ゲームもそれと同じでゲーム自体が悪者ではない。使い方次第。

と返答が。

若者にとって良い使い方をするためのエッセンスもたくさん教えてもらった今だからこそ、納得できる言葉でした。


忘れていけない2つのこと

どうですか?

え!Verkeおもしろいんだけどー!若者支援にデジタル化めっちゃ大事かも。

って思いませんでした??僕は思いました。


それを察したのか、こんな言葉をJarnoさんはくれました。

デジタルユースワークとユースワークは乖離していてはいけない。

ユースワークの目的達成があくまで大目的。だから、デジタルがうまく活用できる支援を行うが、紙がいいと思ったときにはもちろん紙媒体も使います。あくまでデジタルはツール、ということを教えてくれました。


そして、更に。

デジタルユースワークは、メソッドではない。

こうすればいいという完璧なノウハウがあるわけでも、答えがあるわけではない。目の前の若者の状況や、時代にあわせて、試行錯誤しながら柔軟に変化していくものだという大事な精神を伝えてくれました。


さいごに

フィンランドは、デジタライゼーションへの積極性はすごい。

しかし、なぜこれだけデジタライゼーションを進めているのか聞くと、「小国だからだ」と異口同音にみんないいました。そう。特別な理由ではなく、さも当たり前といった口調で。

小国だからこそ、効率化し、時代に順応し、イノベーションに真面目に粘り強く取り組もうとしている。


僕らに必要なのは、デジタル化でも、資金でも、中間支援組織でもなく、もっとベースにあるこの精神なんだと、心の中で熱くなるものがありました。

また連絡をとりあおうといって、僕らは握手をぐっと交わした。


Kiitos(ありがとう)!!

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