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スマートウォッチの効果
apple watchをはじめとした、スマートウォッチを日常的に身に着けている方は多いと思います。
医療者の中でも半数以上スマートウォッチを使っている方がいる印象です。
様々な用途がありますが、フィットネス関連の機能が最も大きな特徴だと思います。
リアルタイムでその日に歩いた歩数や距離、睡眠時間、酸素飽和度、心電図異常モニタリングに至るまでモノにもよりますが驚くほど多機能です。
もちろん片手首のみから収集する情報のため、精度に関しては様々な議論があるのは当然ですし、過信しては行けないと思います。
スマートウォッチを使うことによる健康への影響
私が精度よりむしろ興味があったのは、常時そういった情報を見られることで、どの程度装着者の健康への影響があるかです。
スマートウォッチが普及する前までは時折万歩計やスポーツに特化したデバイスで運動記録を取得することはあるものの、これほど日常に溶け込んだ形で情報を得ることはありませんでした。
情報を得た影響で、健康・運動面への影響はあるのかどうか、これについて、ウエアラブル活動量計という括りでの研究ですが、多人数の研究をまとめた報告がなされていました。
Lancet Digit Health. 2022; 4: e615-e626
それによると、スマートウォッチ装着により、1日当たりの歩行時間が40分延長したり(1800歩分にあたるようです)、5カ月間に1kg程度減量できる可能性が示されたということです。
色々注意しないといけないような情報の偏りなどはあるかもしれませんが、多人数で比較してみての結果だけに説得力はあると思いました。自分がどのくらい頑張ったのかがフィードバックされることが、褒められたのと同じような報酬になることはスマートウォッチを使ったことがある方ならよくご存知だと思います。それにより、プラスの習慣が長続きすることは感覚的にも納得できることです。
成果が微妙ではないかとの突っ込みはあるかもしれませんが、この効果が長く持続するならかなりすごいことに感じます。
また、おそらくこういった効果はスマートウォッチの高級さや正確性、多機能性にはあまり影響されない気もします。自身にとって、”よし、頑張ったぞ!”という成果が目に見えることが重要なんだと個人的には考えています。安価なスマートウォッチも増えた現在、スマートウォッチのフィットネスについての使用は、十分試す価値のある選択に思います。