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【経費 Part①】経費の細かな分類と消費額の計算方法🍀:エッセンシャル会計学 No.58🏭

今回から、費目別計算のうち
「経費」について学習します💴

実は、製造原価の大部分は
経費が占めていると言われています。
製品を製造するためには、材料を用意し
それを加工する労働者への給料以外にも
様々なお金がかかりますね。

そして、それらも製造原価に
集計しなければならないのです!

今回は、経費の概要と基礎的なポイントを
一緒に理解していきましょう💖

経費の分類について

まず、経費とは、製品を製造するために
消費した原価のうち、材料費および労務費以外
のもの
をいいます。
つまり、材料費でも労務費でもない費用は
一度すべて経費に集計していくことになります📝

そして、この「経費」も細かく
分類されることになります。
経費に分類される原価はたくさんありますが
種類による分類として、以下に代表的なものを
整理していきます!

  • 外注加工賃:下請け業者に材料を渡し、それをもとに部品に加工させたときの、 加工に伴う対価

  • 特許権使用料:他人が有する特許権を使用して製品を製造する場合に支払う使用料

  • 旅費交通費:工場従業員に支払う旅費や交通費(注1)

  • 減価償却費:工場建物や工場で使用する機械の減価償却費

  • 水道光熱費:工場における水道光熱費

  • 賃貸料:工場建物の支払家賃

  • 棚卸減耗費:材料の帳簿在高と実際在高の差

注1:旅費交通費は、工場の従業員に支払うものですが、従業員が業務のために移動するのに
必要な費用であり、労働に対する対価ではないため、経費となります📝

製品との関連における分類

経費は、特定の製品ごとにどれだけ
消費されたのかを把握できるか否か
によって
直接経費(特定の製品ごとに、どれくらい消費されたかが把握できる経費のこと)と
間接経費(特定の製品ごとに、どれくらい
消費されたかが把握できない経費のこと)とに
分類されます。

なお、外注加工賃と特許権使用料以外の経費は、そのほとんどが間接経費に分類されます📝

そして、直接経費は仕掛品勘定へ、間接経費は
製造間接費勘定
へと振り替えられるのです。

経費の消費💴

経費は、消費額の計算方法により
支払経費、月割経費、測定経費
発生経費の4種類に分類されます。
これらは、以下のようにまとめられます📝

支払経費:毎月の支払額に基づいて消費額を計算する経費
例)外注加工賃、特許権使用料など

月割経費:一定期間(1年間や半年など)の支払額や計上額を月割計算して消費額を算定する経費
例)減価償却費、保険料など

測定経費:メーターで毎月の消費量を測定し、その測定量をもって消費額を算定する経費
例)電気代、水道代など

④発生経費:実際の発生額をもって消費額とする経費
例)棚卸減耗費など

それでは、以下に各経費の種類(①~④)
ごとに計算問題を含めて理解していくことにしましょう!

①支払経費

支払経費とは、毎月の支払額に基づいて消費額を計算する経費をいいます。
これには(1)未払いのケースや
(2)前払いのケースがあります。

(1)未払いのケースでは、$${支払経費の消費額 = 当月支払額 - 前月未払額 + 当月未払額}$$となります。

(2)前払いのケースでは、$${支払経費の消費額 = 当月支払額 + 前月前払額 - 当月前払額}$$という計算式によって求められることを覚えておきましょう!

※タイムテーブルを用いて、用支払額と当月支払額の関係を整理してみても良いかもですね。

それでは、以下の練習問題をアウトプットしましょう。

Q1 以下の資料に基づき、当月の直接経費と間接経費の金額をそれぞれ計算しなさい。
・当月に発生した経費は、外注加工賃と旅費交通費である。
・外注加工賃 当月支払額:30,000円、当月未払額:6,000円、        前月未払額:4,000円
・旅費交通費 当月支払額:40,000円、当月前払額:10,000円、        前月前払額:5,000円

解答:支払経費
直接経費:32,000円
間接経費:35,000円

※外注加工賃⇒直接経費、旅費交通費⇒間接経費

②月割経費

月割経費とは、一定期間(1年間や半年など)の支払額や計上額を月割計算して1ヶ月の消費額を算定する経費をいいます。
具体的には、減価償却費や保険料などが該当します!
商業簿記でも月割計算をしたことがあるように思いますが、$${月割経費の消費額 = 年間支払額 ÷ 12 ヶ月}$$というように考えていけば問題ありません!

③測定経費

測定経費とは、メーターで毎月の消費量を測定し、その測定量をもって消費額を算定する経費が該当します!
ここで、メーターでの測定期間と原価計算期間が通常一致していない点に注意しなければなりません。

そのため、当該原価計算期間における測定量に基づいた金額を消費額とします。

なお、通常、測定量が0だったとしても一定の基本料金が請求され、これも計算に含めることをしっかり覚えておいてください📝

それでは、以下の例題で測定経費の計算をしてみましょう。
以下の資料に基づき、当月の経費消費額を答えなさい。
・電力料 前月末検針:600kwh 
     当月末検針:1,600kwh
・基本料金:10,000円
・電力料単価:20円/ kwh

測定経費:30,000円
当月測定量:1000kwh(月末1600-前月末600)
電力量:基本料金+電力量単価×当月測定量

④発生経費

発生経費とは、実際の発生額をもって消費額とする経費です。
具体例としては、棚卸減耗費などが該当します!

それでは、以下の練習問題で確認しましょう。
以下の資料に基づき、当月の経費消費額を答えなさい。
・材料帳簿残高:21,500円 実地棚卸による残高:18,250円

発生経費(棚卸減耗費):3,250円
※帳簿残高-実地棚卸残高によって計算📝

本日の解説はここまでとします!
次回は、具体的な経費の会計処理について理解を深めていくことにしましょう💖

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なお、参考資料は以下の通りです。

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