【知らなきゃ損💦】社会保険料の帰着問題:労働経済学🔥No.6
【労働経済学】シリーズにおいては
私が現在学習している内容である
「ミクロ経済学・労働市場の分野」について
アウトプットしていきたいと思います👍
今回の記事は「労働市場理論の応⽤🔥」
について解説していきたいと思います
考えていきたいテーマは、以下の通りです📝
「社会保険料の事業主負担の帰着問題」
社会保険料というワードも
皆さんの生活と切っても切れませんよね😊
今回はこのような内容について
最低限の知識を会得しましょう
静学的労働経済モデルの概要🔖
静学的労働経済モデルを使って
様々な社会問題、企業行動に関するトピックを経済学的に考えていきたいと思います
⼈々は、所得によって実現する財・サービスの消費と余暇の消費の両方から満足を得ると仮定します
また、個⼈は消費財の消費が多いほど
そして、余暇時間が多いほど、満⾜度が⾼くなると仮定しましょう
満⾜度あるいは幸福度を効⽤と呼び、各個⼈の行動が次のような
効⽤関数の最大化問題に直面しているとします
ただし、この個人が行動するには、2つの制約があります
①時間制約⏰②予算制約💴です
これらの制約の下で、効用最大化を実現するように行動するという問題を考えることこそ、静学的労働経済モデルなのです
説明に登場する記号や定義は
以下の通りとします
$$
Endogenous Variable of the Model\\
Leisure: ℓ \\
Consumption: C\\
Labor supply: L\\
$$
$$
Exogenous Variables of the Model\\
Wage: w
Price: p, where [ p=1] \\
Time: T \\
Wealth Asset \\ or Non-working income: I \\
Grant: G
$$
$$
Utility Function: U(C,ℓ)・・・①\\
\\
where the Marginal Utility \\= \frac{ ∂ U(C,ℓ)}{∂C} >0 , \frac{∂U(C,ℓ)}{∂ℓ}>0\\
\\two times differential \\ \frac{∂''U(C,ℓ)}{∂ (C or ℓ) ''}<0
$$
$$
Time Constraint:L + ℓ≦T \\
Budget Constraint: C ≦w ( T-ℓ) + I・・・②
$$
$$
Static Labor Supply Model\\ \\
Max: U ( C, ℓ )\\s.t C ≦w (T-ℓ) + I ・・・③
$$
$$
Labor Demand Function : L^D(w)\\
Labor Supply Function : L^S(w)\\
Social insurance premium: t \\
\\
The elasticity of labor demand\\
ε_D =\frac{ΔL/L}{Δw/w}\\ \\
=\frac{L}{Δw}\frac{w}{L}\\
\\
The elasticity of labor supply\\
ε_{L^S} =\frac{ΔL/L}{Δw/w}\\ \\
=\frac{ΔL}{Δw}\frac{w}{L}\\
\\
The elasticity of ubstitution\\
σ=\frac{[d(K/L)/(K/L)]}{[d(w/r)/(w/r)}\\ \\
=\frac{[%change in K/L]}{[%change in w/r]}
$$
この問題について考えていきたいと思います
参考資料は、以下の通りです
社会保険料の事業主負担の帰着問題💫
労働保険や社会保険の財源として
⽀払い給与に対する労働者負担分のみならず
事業主負担分がありますね
労働市場の需要と供給において
社会保険料という外生的な要因が入ることで
どのような変化が起こるのでしょうか??
ぜひ一緒に考えていきましょう
まず、労働保険や社会保険の財源として
⽀払い給与に対する労働者負担分のみならず
事業主負担分がありますね
失業給付・育休給付の保険料率は
以下の通りであると言われています
• 雇⽤保険料:0.3%(労働者)、0.3%(事業主)※⼀般の事業
• 労災保険料:なし(労働者)、0.25%~8.8%(事業主)
• 健康保険料、介護保険料:保険料率は組合によりますが
*保険料は労使折半
保険料の事業主負担あるいは、その負担分の
増⼤は企業の利潤にのみ影響を与え
労働者には何ら影響がないというイメージをもたれることがあると思われますが
それは本当なのでしょうか?🧐
この問いに対して
経済分析していくことにしましょう
事業主負担のみのケース
1 単位の労働について
社会保険料 t (円)を事業主が負担することになっているケースを考えましょう
企業は,正味の賃⾦率が w+t(円)
であれば、従前の労働需要を維持しようとしますから労働需要曲線はD0 からD1 と
下方向にシフトすることになります✍️
よって、社会保険料が導入された後の
新たな労働市場均衡では以下の
3つのインプリケーションが得られます
従前に⽐べて
①均衡雇⽤量の減少(L0 > L1)
②企業の⽀払い賃⾦の増加(w0<w1)
③労働者の受け取り賃⾦の減少 (w0>w1-t)
という結果になることがわかりますね
よって、事業主のみが負担するにもかかわらず
保険料負担によるコスト増は企業と労働者で
折半・シェアされることになるのです💦
労働者負担のみのケース
次に1 単位の労働について
社会保険料 t(円)を労働者が負担したケースを考えていくことにします
労働者は、正味の賃⾦率が w +t(円)であれば
従前の労働供給を維持しようとしますから
労働供給曲線はS0から S1のように上方向へシフトすることがわかります
社会保険料が導入された新たな労働市場均衡では従前に⽐べて、以下のインプリケーションが得られます
①均衡雇⽤量が減少
②企業の⽀払い賃⾦が増加
③労働者の受け取り賃⾦が減少
この3つが得られます
事業主負担のみの場合は
需要曲線がD0からD1に下⽅シフトするのに対して労働者の受け取る賃⾦は、w1-t
企業の⽀払い賃⾦は、w1となります
つまり労働者負担の場合の効果と同じということがわかりましたね📝
よって、社会保険料の賦課の帰着
(労働者と企業の負担メカニズム)は賦課対象に依存しないという結論を得ることができました
労働者と企業の負担割合💦
ただし、労働者と企業の負担割合は,労働需要曲線と労働供給曲線の弾⼒性に依存します
労働供給が⾮弾⼒的なケース(図①)では
課税の負担は、全て労働者に帰着します
一方で、労働需要が⾮弾⼒的なケース(図②)では保険料の賦課は、全て企業に帰着することになります
つまり、弾⼒性が小さい側が重く負担すると
いう経済学的なインプリケーションを得ることになるのです
社会保険料に対する労働需要/供給の弾力性と負担割合の帰着🌟
需要や供給の価格(今回のケースは
社会保険料)に対する感応度は「弾力性」
によって測られます✨
価格弾力性は他の消費・生産に対する代替
可能性の程度に依存するというミクロ経済学における原理を応用したいと思います
ここでいう価格は、賃金とみなせますから
賃金に対する労働需要ならびに供給の弾力性についてい考察をしていきたいと思います
$$
The elasticity of labor demand\\
ε_{L^D} =\frac{ΔL/L}{Δw/w}\\ \\
=\frac{ΔL}{Δw}\frac{w}{L}\\
\\
The elasticity of labor supply\\
ε_{L^S} =\frac{ΔL/L}{Δw/w}\\ \\
=\frac{ΔL}{Δw}\frac{w}{L}\\
$$
数式による表現をすると以下のようになります
当初、社会保険料が導入される前は労働市場ともにt=0の地点で均衡していたとします
$$
Before:t=0\\
L_0^D=L_0^S・・・①\\
where wage =w_0
$$
ここで、社会保険料が導入されたとします
社会保険料の賦課の帰着 (労働者と企業の負担割合)は、賦課対象に依存しないということは上記で確認しましたから
今回は、労働需要サイドである企業側に社会保険料(t)が賦課されたケースを想定します
$$
L(w)^S=L(w+t)^D・・・②
$$
ここで②式を微分して
変化を見たいと思います
$$
The differential in ② \\
⇒dL^S(w)=dL^D(w+t) (dw +dt)\\ \\
=\frac{dp}{dt}=\frac{d{L^D(w)}}{[dL^S(w)-d{L^D(w)}]}・・・③
$$
ここで、当初の状況を思い出してください
社会保険料が導入される前には
労働市場が均衡していましたから
労働需要と労働供給が一致していましたね👀
よって、③式を変形して社会保険料に対する
労働需要/供給の弾力性の定義を代入すると
以下のようになります
$$
\frac{dw}{dt}
=\frac{[\frac{dL^D(w+t)}{L^D]}}{[\frac{dL^S(w)}{L^S}-\frac{dL^D(w+t)}{L^D}]}\\
\\
From the definition of Elasticity …\\ \\
\frac{dw}{dt}=\frac{-ε_{L^D}}{(ε_{L^S}+ε_{L^D})}・・・④
$$
このように、賃金と社会保険料の微小変化に
対する各経済主体の負担割合θを求めること
ができたと思います
そして、最後に関係をまとめると
以下のようになります
$$
\frac{d(w+t)}{dt}=1 + \frac{dw}{dt}\\ \\=\frac{ε_{L^S}}{(ε_{L^S}+ε_{L^D})}・・・⑤\\ \\
Burden ratio \\
\frac{θ_{L^D}}{θ_{L^S}} =\frac{ε_{L^S}}{(ε_{L^S}+ε_{L^D})}
$$
⑤式より、賃金に対する労働需要・供給弾力性が相対的に低い経済主体に対して
社会保険料の負担がより多く帰着していることがわかりますね
労働需要の賃金弾力性が労働供給の賃金弾力性を上回るならば、労働者への帰着Δ(w+t)
< 生産者への帰着Δwとなるのです
今回の解説はいかがだったでしょうか?
労働経済学を理解することで、世の中の問題
ひいては、自分自身の労働環境について
法的な制度や基礎的な経済学の概念から考えることができるようになると思います
なぜ、労働問題が発生するのでしょうか?ということを心得ておくだけでも
何かビジネスや生活において有利になることは間違いないと考えます
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます💘
マガジンのご紹介🔔
こちらのマガジンにて
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています
今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚
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