質で罵倒
質で罵倒
質で罵倒
(しちでばとう)
自分に対しての周囲からの評価に満足できずに、
文句を言うこと。
質屋に持ち込んだモノに対して、
思っていたような価格がつかず、
店主に罵倒することに由来する。
質屋とは、
あくまでも借金をするところで、
その借金の担保として物品を預けるのであって、
中古品として買い取ってもらうものではない。
よって、持ち込んだモノの評価が低いということは、
借金の額が少ないということなので、
むしろ喜ぶべきことなのである。
このことから派生して、
まったく意味不明で突然キレだすこと全般を
「質で罵倒」と言うようになったとされる。
ステレオのタイプ?
ずーっと昔のこと、
お世話になった職場の先輩がいた。
ある日、退職し、去っていかれた。
再就職先が決まった、遠方に行かれるらしいと、噂で聞き、
彼の家を訪ねてみた。
「わざわざ会いに来てくれたんか?」
すごく喜んでくださった。
「そや、今から温泉行こか」
と突然言い出した。
そんなお金、手元になかったし、
先輩もプーの身で、お金なかった。
「これ、持ってくわ」
と、部屋の片側スペースを割いているステレオを指さしていた。
音楽好きな人で、
給料の何ヶ月分もつぎ込んで、揃えたコンポ。
それをどうにかしようということらしい。
いやいやいやいや、
そんなんやめましょうよ。
もったいなすぎますやん。
彼にとっては、
ステレオよりも大きな想い出が欲しかったのかもしれない。
いまならば、
音響機器専門の高価買取専門店もあるし、
ヤフオクでも良い値段がついたことだろうと思う。
まだ、そんな時代ではなかった。
クルマに積み込むのを手伝い、
走ること数十分。
着いたのは、質屋。
クルマを店の際につけて、
店主のオジサンに見てもらう。
出てきた値段を聞いて、ビックリ。
温泉どころか、
飲みにも行けないような価格だった。
「これ、なんぼしたと思ってるねんっ!」
先輩が、キレだした。
「オッサン、目ぇ、見えてんのかっ??」
「もうちょっと、なんとかしてーやー」
なにを言おうが、オジサンはどこ吹く風である。
そして、ポツリ、
「ステレオはこれくらいって相場があるんよ」
相場に合わせただけで、
そのステレオがどれだけの性能なのかなんて、
どうでもいいみたい。
極めてステレオタイプな返答なのであった。
ステレオだけに??
七転八倒
(しちてんばっとう)
七転八倒とは、
激しい苦しみに、転げまわり苦しむこと。
何度も転んでは倒れてしまうこと、
立ち直ろうとするも上手く進まないことを意味する。
七転八起とは、まったく異なる。
七回転んだとしても八回起き上がれば良いという意味で、
失敗しても挫けずに立ち上がること、
諦めることなく挑戦し続ければきっと良いことが起きるということ。
ここでいう「七」や「八」とは、
回数の多さを意味しているのであって、
必ずしも、7回・8回にこだわる必要はない。
若かりし頃、
「オレはいつかデッカイことをやってやるぜ」
っていうヤツの一人はいるものである。
知人の中にも、一人そんなのがいた。
デカいことって、なに?
「はぁ? デカいことはデカいことよ」
答えになってない…
あるとき、言った。
「オレのモットーはな、七転八倒よ」
もだえ苦しみたいのか??
あきらかに、間違えている。
(七転び八起きとちがうの?)
そんな訂正しようものなら、逆ギレされかねないから黙っておいた。
あれから20年、
彼の人生が浮上したという話は伝わってこない。
モットーの通りに生きて、
いまも、おネンネしたままなのだろうか…