ベトナム人にグエンさんが多い理由
日本には多くのベトナムの方が住んでおり、身近にもベトナム人の同僚や友人がいらっしゃると思います。ベトナムの方と出会って自己紹介されると、グエンさんの多いこと、多いこと!
インターネットで調べると、世界で最もメジャーな苗字の第4位(約3600万人)に入っています。そこで、ベトナム人の名前について調べてみました。
名前の構成
日本人の名前は、姓と名の2語構成ですが、ベトナムの方は2語、3語、4語構成となっています。まれに5語構成の方もいるそうですが、まず出会えることは無いそうです。
順番としては、姓⇒名⇒名⇒名で、苗字だけを呼ぶことはほとんどなく、フルネームか名前で呼び合うのが一般的です。日本と同じく歴史的には中華圏に属しており、昔からの名前は漢字に置きかえられます。
夫婦別姓で、基本的には父方の姓が受け継がれていきますが、母方の姓を2番目、3番目の名前にすることが多いそうです。
ベトナム王朝の歴史
ベトナムには1800年代から1900年代中頃まで続いたグエン王朝があります。初代皇帝の名がグエン・フック・アインで、ベトナム中部に位置するトゥアティエン=フエ省に、グエン王朝を築いた人です。
そして、ベトナムにグエンさんが多い理由が、このグエン王朝の名前に由来する、と言われているそうです。
グエン王朝が栄えたトゥアティエン=フエ省は「古都フエ」と呼ばれています。過去、フエは文化の中心とされ、美しい生活様式やフエ料理、伝統工芸などが有名です。
今でも、王朝自体の美しい街並みが残っており、世界遺産にも指定された美しい宮殿などの遺跡群を見ることができます。
また、ベトナムの伝統衣装であるアオザイを維持する目的から、昨年9月より、フエ省文化スポーツ局の職員は月に1回アオザイを着用することが規定されました。
古都フエの礎となったグエン王朝。その名称であるグエンを苗字に持つことは、ベトナムの歴史を紡ぐことでもあるんですね。
ステキな苗字の由来を知ることができました。