ハノイ生まれ、卵入りコーヒー
日本で出会えるベトナムを探していたところ、変わった飲み物を見つけました。それは、繊細で、どこかノスタルジックな雰囲気を醸し出す、黄色い卵の入った「エッグコーヒー」です。
ベトナムのカフェ文化
フランス食文化と中国の食文化の影響を受けているベトナム料理は、周辺アジア国とは一風変わった料理だと思います。私たちにとってなじみ深い中華料理の良いところと、世界一の美食大国フランスの良いところがミックスされ、ユニークな食文化を形成しています。
ベトナムは、カフェの数が多いことでも有名です。コーヒー生産量も世界第2位ですし、ベトナム人の生活に欠かせない場所となっています。
ご存じの方も多いと思いますが、ベトナムコーヒーは、フィルターが細かくゆっくりと抽出します。少し時間はかかりますが、濃くて良いアロマのコーヒーを頂くことができます。
濃いコーヒーに、さらに濃くて甘いコンデンスミルクを入れて、ゆっくりと頂く。忙しい毎日の中で、ホッとできる時間ではないでしょうか。
エッグコーヒーとは
今から70年以上前の1946年、ハノイの5つ星ホテル「ソフィテル・レジェンド・メトロポール」でバーテンダーをしていたグエンバンザン氏が生み出した飲み物です。
当時、牛乳が非常に高価だった時代、イタリアのカプチーノのようにミルクを入れたカフェを作りたかったグエン氏は、代用品として「卵」を使うことを思いついたそうです。
その絶妙な味わいは、国内外でも非常に人気を集め、彼はベトナム人にも紹介したい、と自分のお店を持ちました。それが、「カフェ・ジャン」です。
そのカフェ・ジャンの日本店が横浜の中華街にあり、このエッグコーヒーを頂いてきました。
カフェ・ジャン in 横浜
お隣が、北京ダックの有名店のようで、カフェ・ジャンの店先まで長い行列ができていましたが、気にせずカフェ・ジャンに入っていきました。
1階、2階と座席があります。2階は、本当に小さなイスが並んだ喫茶スペース。ベトナムの方は細いから問題ないでしょうが、日本人にはかなり小さめです。
そして、お目当てのエッグコーヒーを注文。
メニューも色々種類があります。
エッグコーヒー ホット
エッグコーヒー アイス
エッグシナモンコーヒー
エッグ抹茶
エッグココア
エッグビール
最後のエッグビールに気を取られつつも、まずは王道のエッグコーヒー・ホット&アイスを注文。
ホットの見た目は、まるでティラミスのよう。
味は、上部だけ食べるとまるでリキッド状のプリンです。
下の濃いコーヒーとよくかき混ぜて飲むと、甘みと苦みのバランスがよく、スイーツのようでした。
アイスの見た目は、ミルクシェイクのよう。
味は、ホットよりも、もっと飲みやすいです。
暑い日だったので、なんだかベトナムにいる気分でした。
エッグコーヒーの作り方
インターネットで調べると、エッグコーヒーのレシピが掲載されていました。
主な材料:ベトナムコーヒー、卵黄2つ、練乳大さじ1
ベトナム式フィルターで、濃いコーヒーを抽出し、卵黄と練乳をミルクフォーマーで混ぜ、それをコーヒーの上にそっと注ぐそうです。
コーヒー1杯に卵黄2つ。
不思議で、甘くて、繊細な、ステキな飲み物との出会いでした。