剣道が変わる身体の仕組み〈其の一 肩〉

noteでの初記事です。

剣道には独特な動きが多いですね。

難しい動作も多いです。

剣道で使う身体の動かし方を、身体の構造から見直していきましょう。

まず今回は、肩です。

いわゆる肩関節は、正確には肩甲上腕関節(ケンコウジョウワンカンセツ)と言います。これがみんなが思い描く『肩』です。

ですが、その肩の周りにも沢山の骨、関節、筋肉などがあるので、複雑なんですね。

基本的な構造を見ていきましょう。

腕の骨は、肩甲骨という逆三角形のお皿のような骨に繋がっています。

肩甲骨には隣合わせになる骨がいくつかあり、上腕骨(腕の骨)、鎖骨、肋骨の背中側がそれにあたります。

肩甲骨っていうのは、変わった仕組みになっていて、まず、いわゆるみんなが思い浮かぶ形の関節で体幹と繋がっているのではありません。背中の上の方(肋骨の背中側)に、ちょこんとしがみついています。具体的には、四方に伸びる筋肉によって、体幹と繋がっています。

そして、背中の肋骨のわん曲に沿って、スライドするようにある程度動くことができます。

これが、腕を自由自在に使うことができる理由なんですね。
この肩甲骨の動き、意識してみたことはありますか?

もし、肩甲骨を全く動かすことができなかったり、筋肉や靭帯が硬くて肩甲骨の動きが制限されると、腕の振り上げや振り下ろしなどが上手にできません。腕が半分くらいまでしか上げられないからです。

では、肩甲骨がどんなふうに動いているのか、見ていきましょう。

繰り返しになりますが、逆三角の形をした肩甲骨は腕の動きに合わせて、背中のわん曲に沿いながら、滑るように、スライドするように動いています。腕を高くあげるときなどには回転もしています。

腕を前に伸ばすときには、肩甲骨が背中(の肋骨に)沿って前にスライドしていきます。そのため、肩全体が前に動きます。剣道で打突するときにはこの動きが重要になります。突きや小さい振りかぶりの打突動作では顕著だと思います。

次に、振りかぶりのときはどの様な動きとなるでしょうか。

振りかぶりのときは、腕だけが上に上がるのではなく、肩甲骨が回転して傾くことで腕が上まであがります。

つまり、振り上げのときは、「腕をあげる」だけではなく、「肩甲骨を動かす」ことが大切です。

剣道の指導で「肩を使う」という表現がありますが、具体的には、肩甲骨を上手に使うことだと理解できます。

以上をまとめると、

1、腕をあげるには、肩甲骨が回転する必要がある。

2、肩甲骨が前にスライドすることで、腕を伸ばす(肩を前に出す)という動きができる。

単純なことですが、これらを意識するだけで、振り上げ・振り下げ・打突のイメージが変わったのではないでしょうか。

終わり。

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