#50 ずっと側に置いておくと決めた本①
どうも。
防災ライフスタイルブランド「+maffs」中の人。
北里 憲です。
初めてご覧いただく方は、是非こちらも合わせてお読みください。
さて、昨日は子供たちが妻と妻の実家に帰省してるので、少し物悲しくも、とっても静かな夜と朝を満喫してますという話をしました。
そんな今日は、僕が「ずっと側に置いておくと決めた本」について。
僕には、ずっと側に置いておくと決めた本が何冊かあって、その本たちは僕の会社のデスクに常に置いてあるのです。そんな本たちの中から本日は「スターバックス再生物語」という本について話したいなと。
とはいえ、何回も読み直してるわけでもないので、内容を全て覚えてるということもないのです。ただ、この本が僕に与えた幾つかの逸話を含んだ影響が確実にあって、そんな話ができたらと思います。
確か、この本を最初に読んだのは2012年頃だったと思う。
当時僕は30歳に差し掛かる歳で、社内規定では係長に昇進できる頃だった。
業界に、会社に、組織に、様々な違和感や憤りを感じていた反面で、その可能性にも気づき始めた頃だったと思う。
僕はこの本を読んで、「ブランド」というものを明確に意識して、いつか自分も。と思うようになった。
以前にもブランドは薄氷を積み重ねてようやく成り立っていて、崩れる時は一瞬。みたいな話をしたけれど、あの感覚はこの本を読んでから持っているものだったと思う。
スターバックスといえば、磐石な経営基盤で成長を続ける企業。の様に思うし、その存在はもはや僕らのライフスタイルの一部になっているとすら言えると思う。
でも、そんなスターバックスにも危機はあって、その危機の根幹にあったのは、「ブランド」と「事業」の見えない対立だった。と、僕は要約してる。
どういうことかといえば、「ブランド」を創ることと、「事業として収益を拡大すること」は、相反関係にあって、どちらかを優先すれば、どちらかは損なわれる。という構造が、「無意識的」に出来上がってしまってたのだと思う。
補足すると、当時のスターバックスはブランド成長の立役者であるハワード・シュルツが経営の前線から退いて、慈善活動などを中心に活動しはじめていたのだよね。
本の中に出てくる逸話で言えば、コーヒーだけで賄えなくなった収益拡大性を補う為に、フード事業に力を入れたり、ボトル飲料などにライセンスを提供して、店舗以外のショップでもスターバックスのロゴを冠した商品が売られるようになったり。
これ、内容としては至極普通のことで、当時の経営者達もこの判断がスターバックスの収益性を向上させることに真摯に向き合った結果の決断だったはず。
実際、今でもスターバックスではたくさんのフードが提供されているし、コンビニで買えるスターバックスブランドのカップコーヒーもある。
でも、その当時は失敗した。
その理由は、「自分達は何を大切にするのか」そして、「お客様は何を求めているのか」をみんなが忘れていたから。
当時のフード、例えばチーズを使ったグリルサンドイッチは、オーブンの仕様によって、チーズが焦げて、店いっぱいにチーズの香りが広がる。
結果、客が求めているのは、ローストされたコーヒーの香りなのに、チーズの匂いを嗅がされることになる。
当時のボトルドリンクは、スターバックスのロゴすら印刷されていても、その味や香りにはスターバックスを連想できる様なクオリティーはなかった。
理由は、たのドリンクの価格に合わせて販売することが優先されていて、商品のクオリティーは二の次だったから。でも、それによって、まずいコーヒーを提供するブランド。という広告を自ら打ってしまう結果になった。
結果的に、スターバックスのフードはオーブンや製品の改良によって匂いを軽減できたし、ボトルコーヒーは値段は高いけど、他のボトルコーヒーよりも美味しくなった。
これは、ブランドと事業の関係がきちんと統合されていれば、(自分達とお客様のことを本当に想っていれば)解決できることだっていうことを教えてくれる。
ということで、好きな本のことだから、やっぱり言いたいことが溢れてきて、長くなってしまったけど、とにかく最高のブランドや企業やそこで働くヒトたちの気持ちを創るための最高の一冊だと思っています。
最後に僕がこの本で一番好きなシーンを。
スターバックスは、ハワード・シュルツが戻ってきた直後に全世界の店舗を数日閉店して、(いや、これ、普通にすごくない?1日閉めるだけで、どれだけの売り上げが減るかは途方もない。けど、やるんだよ。)パートナーを集めた研修を行うのね。
で、その会場に集まってきたパートナーが会場に入場すると、TheBeatlesの「Lady Madonna」が流れるの。
僕はそのシーンが大好きで、いつか僕が自分たちの事業を誇れる様になるための研修をやる時には、何の曲をかけようかな。って、今でも考えてる。
さて、少し長くなりましたが、本日はこの辺で。
最後まで読んでくれてありがとう。
また明日。
防災をライフスタイルに。