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#51 ずっと側に置いておくと決めた本②

どうも。

防災ライフスタイルブランド「+maffs」中の人。

北里 憲です。

初めてご覧いただく方は、是非こちらも合わせてお読みください。

さて、昨日は僕がずっと側に置いておくと決めた本その①として、「スターバックス再生物語」を紹介しました。何だか予想外に好評をいただけまして、ありがとうございます。

後輩から「今日の投稿良かったです!北里さんのブランドへの思いが漏れていました!」というLINEをもらいました。

多分、彼女は「溢れていました」と言いたかったのだと思います。
#漏れてどうする
#下の方緩めか
#愛くるしい奴です

さて、本日はご好評に味を占めて「ずっと側に置いておくと決めた本②」についてお話します。

その本は、クリエイティブディレクターの佐藤可士和さんの著書「今治タオル 奇跡の復活」。

こうみてみると、連続して「復活や再生の物語」なのだね。

ブランドの成功って、きっと様々で色々な努力と、偶然とが重なって大きなうねりになっていく。だから、成功の方程式には様々な変数がある。

一方で、失敗する要因は昨日の投稿にも書いたけど、「自分達は何を大切にするのか」そして、「お客様は何を求めているのか」を忘れていることだと思う。

だから、ブランド再生の物語は、いつでも自分と顧客に立ち返るところから始まる。多分ここが好き。

スターバックスではその起源に立ち返るための旗振りを、ハワード・シュルツさんが。今治タオルでは佐藤可士和さんが行った。

この本と出会ったのは、僕が+maffsを立ち上げる数年前の2014年頃だったと思う。この本を読んだ直後に、防災ブランドを創ることや、そのコンセプトなんかを考え始めたのを覚えてる。

この本は、歴史あるタオル産業のまち「今治」が、有名ブランドのOEM製品を作る下請け産地から、高品質なタオルを生み出す「今治」として自らのブランドを確立するまでのプロセスを記した本。

この本の中の冒頭にこんなエピソードがある。

広く宣伝された企業の新製品、例えば飲料やクルマであれば、消費者が意識していなくても、その商品やメーカーやブランドイメージは頭のどこか片隅にある場合が多い。 ー中略ー 一方、タオルのイメージはどうか。誰もが持っているし、毎日使うという意味では、消費者の日常生活に溶け込んだアイテムと言える。ただし、自分でお金を出して、質の良いものを選んで買うという「商品」としてのイメージは、当時はあまり持たれていなかったと思う。

この部分、きっとこの本の中で言えば、そこまでキーになるような部分ではないはず。ブランドそのものをどうやって作って行ったか。っていう話はこの後にたくさん書かれている。

でも、僕にとっては、すごく意味のある部分で、これを僕たちが商品としている「消火器」とか「防災製品」に置き換えたらどうだろう。と、思いながら読んでいた。

・そもそも、消火器も防災製品も存在そのものは誰もが知っているが、メーカーもブランドもイメージはない。


・だれもが知っているものだけど、毎日使うことはないし、生活に溶け込んでもいない。

・自分でお金を出して、質の良いものを選んで買うという「商品」としてのイメージはない。

、、、だったら、ブランドを作り、生活に溶け込むことを考え、質の高いものを選んで買う「商品」にしたらいいんじゃね?

実はこれが、防災ライフスタイルブランド「+maffs」誕生のきっかけなのです。

それから生まれたのが「防災をライフスタイルに。」というコンセプトと、白い消火器でした。

今治タオルの場合は、「白いタオル」が今治タオル再生の象徴だった。

僕たちの「白い消火器」は、この本が無ければ生まれていなかったかもしれない。そう思うと、ずっとこの本を側に置いておこうと、改めて思えました。

そして、この本は「防災メーカー」として僕らが持つべき「気概」にも気付かせてくれました。

今治だって、今のようにブランド化される前から、タオルの産地として「プライド」は持っていたはずです。でも、それを示す術が、有名ブランドの「下請け」しかなかった。それに、家業として事業としてタオルを作り続ける為には、収益をあげなくてはいけない。

だから、自分たちの名前は隠して、タオルには有名ブランドのロゴだけが縫い付けられていた。

そうしているうちに、下請け価格は叩かれ、同じまちの中で無益な競争が生まれ、収益性はジリ貧になり、夢の無い事業に後継が生まれない。という負のループに陥っていた。

これ、今の防災事業におけるそれと全く同じだと思うのです。

僕たちにだって、「ブランド」は作れるんだよ!生活者の住空間に居場所は作れるんだよ!もっと気概を持ってこの事業を生業にするチャンスがここにはあるんだよ!

この本を読んで、僕はそんなことを言われた様に思ったのでした。

そう。

この本についてはちょっとした後日談があります。

この消火器のデザインを担当してくれたのは、当社の女性デザイナー。ちなみに僕とはひと回りくらい歳が違う若き才女です。

彼女はこの本がデザイナーとしてのバイブルだったそう。

それはこんなふうに、+maffs誕生のきっかけをチームメンバーで話していたときに思いがけず発覚したのでした。

ちなみに、発覚したのは消火器のデザインはもう出来上がっていて、ブランドも立ち上がった後の話。

そんな不思議な体験も、この本がもたらしてくれたものでした。

そうそう。

皆さんは今治タオル使ったことありますか?できれば、フェイスタオルやハンドタオルじゃなくて、バスタオル。

今治タオルのバスタオルは、吸水性や柔らかさや肌触りもさることながら、体に羽織った時に、「暖かい」のです。これこそが、「体験価値」というものだということを教えてくれます。是非お試しあれ。

さて、本日はこのへんで。

最後まで読んでくれてありがとう。

また明日。

防災をライフスタイルに。

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