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【COVID-19対策・免疫力UP】シリーズ第6弾 〜中医学(漢方医学)編〜

今回は、中医学の最高峰・北京中医薬大学で中医を学び、日本でも中医・漢方アドバイザーとして活動している後藤知美がお届けします!

○中医学(漢方医学)的に見たCOVID-19対策

中国武漢の第一線で治療にあたってきた医師をはじめ、各地でCOVID-19(新型コロナウイルス)の治療・予防に中医学が使われており、かなり高い効果・治癒率が得られています。
西洋医学で未だ有効な治療薬・ワクチンが確立していない今、私達が出来ることとして、最重要になってくるのが、マスク・手洗いなど正しく感染予防をした上で、
“各個人の免疫力を上げること”です。
そうすることで、
①新型コロナウィルスに感染しても発症しにくくなる
②万が一発症しても、重症化が防げる

ようになります。

○中医学とは

紀元前・原始時代に誕生以降、現代に至るまで約3000年もの長い歴史の中、計り知れないほどの臨床経験・実践から積み上げられた伝統医学のことで、”整体観念”という、身体全体を一つと考え、人が本来持っている自然治癒力を引き出す、東洋医学の一つです。
日本では漢方医学として、世界ではアジアを中心に波及し、現在では世界各地、様々な国で研究・発展を遂げ、医療~民間療法まで幅広く日々活用されています。
治療法としては、中薬(漢方)・鍼灸・食療(養生)などがあり、その人の病状・体調・生活環境など全体を考慮し、適切な治療法を選び、治療していきます。

中国では実際のコロナ治療に、藿香正気散や麻杏甘石湯、清肺排毒湯などが使用されていますが、今回はコロナ対策に特化した、自然治癒力を上げる方法・予防改善の漢方をお伝えしていこうと思います!

○自然治癒力を上げる6つの方法

自然治癒力を中医学用語では“正気”(せいき)といいます。
これを消耗させない・養うことが大切です。
①外出自粛中であっても、生活リズムを整え、早寝早起きをする
②十分な睡眠時間と質を確保する(20分ほどのお昼寝も有効)
③ベランダなどで1日20分ほどの日光浴をする
④冷たいもの・油っこいものなどに気をつけ、便通を良くし、胃腸に負担をかけない
⑤体を温める
⑥1日20-30分の軽く汗がにじむ程度の運動

こうして挙げてみれば、聞き慣れたような当たり前のようなことばかりですが、これらは全て中医理論的に説明ができることであり、これら全てが正気を養うことに繋がるのです。

○自然治癒力を上げる生薬

<正気を補う生薬>
太子参・党参・黄耆・西洋人参

<胃の湿気を取る生薬>
陳皮・砂仁・白朮・山薬・藿香・薏苡仁・茯苓

この中から2-3種類組み合わせ、煮出すか耐熱ボトルに生薬を入れ熱湯を注ぎお茶代わりに飲むと効果的です。

《漢方茶の作り方》~煮出す場合~
土鍋・陶器・ガラス、もしくはフッ素加工のしてあるものを使用してください。
生薬は植物・自然のものですので、土との相性がとても良く、一番効果を引き出してくれる土鍋の使用をオススメします。(※鉄やアルミ、ステンレスは絶対に使用しないでください)
作り方は簡単、
1. 土鍋に生薬を数種類入れる。(1種類につき3g前後)
2. そこに200mlほどの常温の水を入れ、強火で火にかける。
3. 沸騰したら弱火で2-3分
これで完成です。
完成したものはそのまま飲んでも薄めて飲んでも構いません。
お湯を注ぐ場合でも、水の量は特に気にせず、1日経ったら新しい生薬に変えればokです。
余ったら冷蔵庫で保存してください。

その他、効果的な生薬としては
升麻・木香(お香として焚くのも◎)・蒼朮 (焚くと空気中の消毒にも◎)・厚朴・滑石

○自然治癒力を上げるツボ

「足三里・太淵・膻中・中府・列缺・中脘」
空咳や喉のかゆみがある場合→少商・尺沢

経絡に少し詳しい人であれば、足陽明胃経を中心に、その他、
「手太陰肺経・手陽明大腸経・足太陰脾経絡・任脈・督脈」
などの経絡を、リンパを流すように指圧し、滞りをとることもとても効果的です。

○体質ごとの風邪予防・改善法と漢方薬

今回の新型コロナウィルスの中医学的キーワードは“湿毒”です。
湿邪が身体の中に入り、体内で当人の体質と反応することで、“熱”、“燥”、“寒”など、毒化し発症するのです。

・汗をかきやすく、色白、風邪が引きやすく、舌の色が薄く、脈が浮き弱い→玉屏風散
・色白、覇気がない、疲れやすい、息切れ、少食、軟便ぎみ、舌の色が薄く、苔は白い、脈は弱い→四君子湯
・熱っぽい、風邪を引きやすい、風が苦手、鼻が詰まり、吐き気、喉はあまり乾かない、舌苔は白く、脈は浮き遅いか弱い人→桂枝湯
・熱っぽい、悪寒、頭痛、胸が詰まる、腹痛、舌苔が白く厚い人→藿香正気散
・発熱し汗をかかない、もしくはかきづらい、やや寒気がする、頭痛、喉の乾き、咳があり喉が痛む、舌先が赤く、苔は薄い、脈は浮き速い→銀翹散
・脇腹が張ったり、押すとやや痛みを感じる、頭痛やめまい、口が乾きよく水を飲む、疲れやすく、食欲が少ない、体温が上がったり下がったりする、舌の色は薄く、脈は張っていて弱い→逍遥散

現在、風邪を引いていない人でも、引いてしまいそうで心配な人は、この時期だけの予防として、これらの漢方薬を薄めて少しずつ飲むのもオススメです。
「いつも風邪を引いたどうなりやすかったっけ?」と考えると、体質を見極めやすいですよ!
また、漢方は比較的、食間(空腹時)に飲むと効果が高いですが、飲み忘れた場合や予防の場合はそこまで気にしなくても大丈夫です。
そして、これらの漢方を飲んだあと、出来ればさらさらなお粥を食べると薬効を助け、効果が出やすくなりますよ。

以上、中医学的対策をお届けしました!

冒頭でもお伝えしましたが、中医学は本来、個人の体質・症状に合わせ・全体を考慮し処方を決める完全オーダーメイドの治療法ですので、
・いつもの風邪と少し様子が違うという方
・持病を持っている方
・小児・妊婦さん・ご高齢の方
・病気や感染に対する不安が強い方
上記に心当たりのある方は、信頼できる中医・漢方医に相談することをオススメします。


【筆者プロフィール】

図1

後藤知美 Tomomi Goto
中医、健康・漢方アドバイザー、培養研究員
大阪生まれ。
幼い頃、小児喘息で入院ばかりだった弟が、漢方薬を飲むことで寛解して以来、家には漢方薬が常備されるようになり、漢方が身近にある幼少期を過ごす。
次第に本格的に中医学を学びたいと思うようになり、中医学の本場である中国の中でも、中医薬大学唯一の国立・北京中医薬大学にて5年間中医学を学び、中医西苑医院にて1年間の臨床経験を積む。
その後、日本に帰国し、薬局にて漢方専門相談員として勤務。
現在は幹細胞培養研究の職につく傍ら、中医、健康・漢方アドバイザーとして活動し、実践物理気学・ホメオパシーを取り入れた、新たな代替医療法の確立の研究も行っている。

今回ご紹介した、自然治癒力を高める方法や予防法に関しての疑問などがあればお答え致しますのでお気軽にご連絡ください。
また、今回ご紹介した中で当てはまる症状がない方、体調に不安がある方、コロナ対策以外での健康相談や漢方薬について聞きたいことなどありましたら、メール・オンライン(Zoom)でのオーダーメイド漢方アドバイスも有料で行っております。

【申込先】t.goto7730@gmail.com

※今後の状況次第で上記の内容は変更になる可能性があります

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