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心の健康について

運動の効果

体調が良い時、調子が良い時に走るということは普通な感じがしますが、ジョギング・ランニングが習慣になってくると、ちょっと身体がだるい、重いなとか、気分が冴えない感じがした時にでも「休息を取ろう」というより「ちょっと走ってくるか」という選択をするようになります。

身体を動かし、体内循環が良くなって活性化するからでしょうが、走り終えて汗を流した後のスッキリとした感じが、だるさ・重さ・冴えない感じを吹き飛ばしてくれるようです。

またジョギング・ランニングは足腰を鍛えて筋肉が付き、ダイエット効果もありますから、身軽になってフットワークも良くなります。

実はこのことが身体面の向上だけでなく、精神的なストレス軽減にも影響しています。

介護の現場などは特に利用者のサポートや介護に機敏に対応しないといけないケースが起きてきます。認知症を患った人に対しては説明して理解をさせ、説得して落ち着かせようとしても叶わないケースがほとんどです。

たとえば認知症で歩行不安定な人で、自分独りで立ち上がって歩き出すと転倒の怖れがあって危険だからと言っても立ち上がって動き徘徊しだす。それに対応している最中に呼び出しコールが鳴る。

あれやこれやで忙しくなる時に、フットワーク軽く立ち回れるのと、自分が動くのもおっくうな身体状態では、感じるストレスの量が違うのと同時に自分から発する言葉・語気・語調が違ってきます。

「危ないから座っててって言ったでしょ!!!」
「何度も言わせないで!!!」

認知症って頭で分かっていても、不満に感じる心の言葉がつい直接出てしまいます。それも命令口調・厳しい語調で。

言われた理解力も短期記憶も無い認知症の人は、「自分は何も悪いことしていないのに、なんでいきなり怒鳴られるんだ」と不穏になりだす。

そしてその不満と怒り、不穏な気配は他の利用者に伝播していき、その場全体が荒れた状態になって暗転循環の流れを起こしてしまいます。

体調を良くして身軽になり、フットワークを良くするだけでも自分のストレスのみならず、他に与える影響、そこから連鎖する場に与える影響が違ってきます。

太っていた時には、少し身体を動かすのにも「よっこらしょ」と大変な重労働のように動かしていたことが思い出されます。

そんな状態の時に、何度も同じような対応のために身体を動かさなければならないとなるとストレスや不満が溜まっても不思議ではないですね。

自分のことだけに留まらない他に与えている影響

私たちは他から与えられる影響「こんなことされた」「あんなことされた」に対しては敏感ですが、自分が与えている影響に対しては鈍感です。

関わりの瞬間に自分がどのようなまなざしを向けているのか、どんな表情や態度をしているのかは自分では見えません。そしてそれが、どのような影響を与えて、どのような現実を作っていく原因のひとつになっているかまでは知ることができません。

穏やかな場になるのか、それとも荒れた場にしてしまうのか、その分かれ道は、フットワークだけではなく、因としてのコミュニケーション、言葉使い、態度、まなざし、そして縁としての他の職員との連携や共働の在り方などの要素も必要になってきます。

一番基本となる因のコミュニケーション、言葉使い、態度、まなざしですが、表面的なテクニックだけでなく、それらの大元は、自分が今どんな心の状態にあるのか、自分が感じていること、感情、心の中に駆け巡る言葉に自分自身が気づくことが基本になってきます。

簡単なようで実は難しく奥深いことなのですが、ここではまず、自分の心が事態をどう受け止めるのか、その時どのような感じ方や感情が起きるのかがあって、それに引き続き、自動回路のように相手に発する言葉、態度、まなざしが生まれてくるということを憶えておくことが大切だと思います。

精神的なストレスを軽減して心の健康も

健康ビルドアッププロジェクトは、ジョギングや筋トレ・ストレッチなどを通して健康目標を達成するプロジェクトです。

運動によってある程度のストレス軽減・気分転換を図れるのは事実ですが、それだけで精神的な苦痛や重荷が全て解消・解決できるわけではありません。

精神的に一番大きな苦痛やストレスを感じさせるのは、「人間関係の問題」です。

身体運動は、体内循環が良くなり体調が良くなって、筋肉をつけてフットワークが軽くなります。

同じように、心の運動は、自分の心に関心を持つ、意識を持つということを通して心の循環を良くしていきます。

それに加えて、心の筋肉をつけてフットワークを良くしていき、人間関係の問題を軽くしていきます。

このような「心の運動」ということについて、次回から探求してみたいと思います。

もちろん、特定の精神的な疾患を改善していく医療的な話ではなく、ジョギング・筋トレ・ストレッチのような身体トレーニングのように、心のジョギング・筋トレ・ストレッチのお話です。

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