95番 五虎湯(ごことう)
喘息発作については、西洋薬に分があると思っていますが、漢方薬としては麻杏甘石湯(55)と、今回取り上げる五虎湯(95)です。2つの違いは桑白皮が入っているかいないか。
桑と言えば、(無理やりですが)童謡「赤とんぼ」(←あのねのねの方ではない…)2番の歌詞は「山の畑の桑の実を 小籠に摘んだはまぼろしか」で桑が出てきます。
ちなみに今回の前説を書くまで、この「赤とんぼ」については、自分自身が誤解をしており、3番の歌詞「十五でねえやは嫁にいき お里の頼りも絶えはてた」は、お姉さんはお嫁に行ったあと死んじゃったのかな…と思っていました、そもそもねえやは「姐や」=子守として雇われていた少女であり、お嫁に行ったあと疎遠になったということで、そこまで深刻ではないとわかってホッとしました。(参考;童謡「赤とんぼ」について 同志社女子大学)
全然、五虎湯と関係ない話…
使用目標(証)
本方は比較的体力があり、自然発汗や口渇がみられる人の呼吸器症状に用いられる。腹部は腹力中等度以上で時として腹直筋上部の緊張がみられることがある。一般に、咳嗽、粘稠でやや切れにくい痰、喘鳴、呼吸困難、熱感などを伴う。発作時の頓服、長期間の服用ともに用いられ、小児に反応される。
組成
麻黄(まおう)
杏仁(きょうにん)
甘草(かんぞう)
石膏(せっこう)
桑白皮(そうはくひ);桑の根皮。咳に効く。
勝手にポイント
5種類からなり、石膏で白い(→白虎)ので五虎湯。(cf;白虎加人参湯)
麻杏甘石湯(55)+桑白皮=五虎湯
麻黄、杏仁、甘草は麻黄湯と同じ。
喀痰が多い場合は、五虎湯+二陳(半夏、陳皮)=五虎二陳湯
参考資料
「つまずきから学ぶ漢方薬 構造主義と番号順の漢方学習」 岩田健太郎 著 / 西本隆 監修
「漢方製剤 活用の手引き 証の把握の処方鑑別のために」 長谷川弥人 大塚恭男 山田光胤 菊谷豊彦
漢方スクエア 絵でわかる漢方処方解説 五虎湯
漢方スクエア 方剤解説 五虎湯