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『人的資本経営に取り組むときの人事のCapability Gap』

「人材版伊藤レポート2.0」についてはすでに読まれている人事関係者は多いかと思います。ここで語られている3つの視点、すなわち
①経営戦略と人事戦略の連動
②As is - To beの定量ギャップの把握
③企業文化への定着
を実際のアクティビティに落とし込んで実行しようとするとき、これまでの人事組織には備わっていないCapabilityは何でしょうか?
・テクニカルなスキルは?
・職務を通じて培われた経験で活かせるものは?
こんな議論がないまま、人的資本経営に取り組んでも成功していくことは難しい。特に②と③を支えるCapability Gapは大きいと個人的に感じます。②は数字で人事の活動を語ることであると考えると、定量化モデルを作る力(データサイエンス、データモデリング含む)が必要であるし、③に至っては文化を創る(あるいは変容させる)ということで、ここは昨今言われるところのチェンジマネジメントのスキルが求められると考えます。
加えて、同じく「人材版伊藤レポート2.0」の中では個人・組織の活性化に関しては
・知と経験のD&I
・リスキル、学び直し
・社員エンゲージメント
・時間や場所にとらわれない働き方
が取り組むべき課題として挙げられています。これらはいずれも「人(社員)」にもたらされる新しい体験価値、すなわちEmployee Experienceの変革を伴うものと言ってもいいでしょう。
※最近、Employee SuccessやPeople Successという表現を使い始めている企業人事もいらっしゃいますね。
Employee Experienceのデザインはこれまでの人事はあまりなかった機能です。
が、実はCustomer Experinceという言葉がある通り、マーケティングの世界では顧客とのエンゲージメントを高めるために当たり前に取り組まれてきている。
このことを考えると、これから人的資本経営に取り組む上で、社内にあるCX経験知を人事領域、正確に言うと人材マネジメント、組織開発に応用するという手があるように思います。

「知と経験のD&I」

まさにこれこそが人事組織が最初に取り組むべきテーマなのかもしれません。

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